Violetshaped - Violetshaped


たとえ死の陰の谷を歩くことがあろうとも…、やべえ!今オレ死の陰の谷おもっきりウォーキング中だ!、ってとこですかね〜。とにかくダークなもんばっか取り上げてたら例えるものが思いつかなくなって、柄にもなく聖書から引用したとこで所詮こんな感じ!。そんなワタクシが今年当然ドはまりなのが本日のセレクト、Violet PoisonとShapednoiseという謎多きテクノユ二ットがコンビを組んで文字通り謎が謎を呼んでいるVioletshaped、そのセルフタイトル(デビュー)アルバムね。簡単に言えばノイジーでミニマルなインダストリアル・テクノで、とびっきりダーク!。ただし、イントロとアウトロを除いてビートは存在するものの、これがえらくぶっきらぼうで、ハードミニマルテクノのバウンス感やうねりみたいなモノはかなり希薄。もっといにしえのインダストリアル・サウンドにスタイルは近く、音一つ一つとそれらの構成がかなりソリッドな(今的な)テクノみたいになってると。聴いてたらダークでおっかないし、ホラーやオカルトっぽい世界もイメージしてるんだろうが、アルバムの音作りはそんな感情も超えたような無機質さ加減が素晴らしい。よくテクノを「非人間的な音楽だ」なんて言う輩が昔いましたが、情感溢れる音像や原始的な欲求に通じるリズムなど、物凄く人間的な音楽であるのは承知の事実。でもこのVioletshapedはそういうのとは違う良さなんで「うん、非人間的だね!最高!」と答えたいな。

この曲実はリズムとても凝ってる。

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Isaiah Toothtaker - Illmatic 2


先月「Illmatic 2」が出てたのみんな知ってた!?。なんて、もちろんNasのアルバムでは、ございま…せん!。フロムLA、異形のヒップホップ集団Machina Muerte、その首謀者の一人Isaiah Toothtakerの新しいミックステープがそういうタイトルだということです。そればかりか内容も「Illmatic」のビート使ってるとかフレーズ引用してるとかいうこともない、ただ単に「Nasがまだ出してないから」という理由でちゃっかりネーミングしたそうで、人騒がせだなオイ。しかしIsaiah、サグいラップから良い声で歌うような抑揚まで、基本「怪しい語り」って感じで色んなスタイルを聴かせる様は相変わらず&間違いなくイル!。そこに持ってきて今回サウンド的にエレクトロニック、シンセサウンドのフィーチャーっぷりが目立っていて、エレクトロニックなヒップホップかつ、へんてこなシンセポップ風味が強烈。それこそDepecheそのまんま使いのものや幻想的な雰囲気のものまで、気持ち悪いのが気持ち良いという感じ。以前取り上げた「86'd till Infinity」の完成版も収録してたりして。聴いてたら「Illmatic」どっか行っちゃったという。
Isaiah Toothtaker - Midnight

怪しすぎる。アルバムはこういうぼんやりした雰囲気だけじゃなく、色んなサイケさが楽しめるぞ。

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Oh No - Disrupted ADS (Audio Dispensary System)


前回、ってもGW前のことだな…、あっ!(と、被りっぱなしのドゥーラグを脱ぎ)、え〜前回はThe Alchemistの作品を取り上げたんで、なら今回はOh Noでしょうと。今年初頭リリースの「Disrupted ADS (Audio Dispensary System)」はオフィシャルなニューアルバムで、リリースペース速いね!嬉しい!、と毎度同じことを更新頻度が遅くなったブログで申しております。前も記したようにOh Noのディスコグラフィーはゲストを迎えたラップ入りアルバムかインストアルバムのどっちか、と大きく分けられるのだが、今回はラップ曲とインスト曲半々という構成。タイトルは「アド=広告」のもじりで、全体的に昔のコマーシャルみたいな音ネタをふんだんに使用した作品で、そんなノスタルジックな音とともに古いビデオゲームの音楽を思わせる、時にノイジーって程のシンセサウンドを同時にフィーチャーしてるとこが、不思議なバランスでおもろい作品になってます。ゲストは馴染み深い面子のほかにMidaz The BeastやSouls Of Mischiefなんかが意外かつ嬉しい顔合わせで、Psalm OneとRapsodyと女性MC二人を一曲に迎えたものとかも、相変わらずセンス良し。そんなラップ曲は実は7曲で残りのインスト曲も1〜2分程度と全体的にヴォリュームは少なめ、ではあるものの、このリリースペースで出てきた作品なんでそれはよかろう。アナログだとLP2枚組みで3面、っていう、実際EPっぽいイメージで作ってるようですし。短い色んな音要素が次々に入ってくるというコマーシャルの狂騒的な雰囲気が良く出てるんで、これくらいで調度いいかも。
Oh No - Jones's (feat. Blu & MED)

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Durag Dynasty - 360 Waves

ドゥーラグ王朝ってなんだ?。とか言って、前回からの続きでなんで答えは出ているのさ!。Planet Asiaが自身率いるGold Chain Militaryから、Killa BenとTriStateの2人とともに結成したヒップホップユニットだ。この度、その1stアルバムを完成させたということで「Asiaさんも良く働くね」とか思ってたら、アルバム全曲The Alchemist製作ということでこっちこそハードワーキング&そりゃ朗報!。しかし本作、レビューサイト色々見てたら評価が随分低かったので、聴くの結構恐る恐るだったんですね。…でもこれが全然良いけど!。Alchemistのトラックに関してはここ数年の異常な充実振りが継続してる出来。スタイルや音、というかサンプリングのネタの雰囲気までAction Bronsonとの「Rare Chandeliers」の延長線上にある作風ではあるが、その3ヶ月後くらいのアルバムなんで別に問題ないだろ、と。Planet Asiaのライミングも当然プロフェッショナル。そうなるとKilla BenとTriStateがどうなんだってハナシだろうが、まあこの二人かなりB級っぽいし、Prodigy、Phil The Agony、Evidence、Big Twinz、Chace Infiniteなどのゲストの方がインパクト強いが、まあそれらは分かってるこった。B級ならではの良さあるし、そんな連中も含めた「軍団もの」もラップの楽しみの一つでしょうがよ。リアル・メン・ウェア・ドゥーラグ!。
Durag Dynasty - 360 Waves

アーバン・ニンジャ・ラグ?!。

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Gensu Dean & Planet Asia - Abrasions


昨年それぞれナイスなアルバムをリリースしているGensu DeanとPlanet Asiaという、これまた良い顔合わせのコラボ。Gensuと言えばサンプリングベースの90年代っぽい雰囲気〜なトラック作る期待の若手プロデューサーだが、件の「Lo-Fi Fingahz」と比べると今回はややアブストラクトな仕上がりですかね。抑えた表現の中に不思議な音のセンスを聴かせる(7曲目「Aura」なんてグルーヴ四つ打ちだったりするし)という趣で、やはりラッパーに合わせた音作りのうまい人だ。一方Planet Asiaは例によって澱みの無いライムデリバリーが流石の「ラップ師」ぶりで、この方も色んなプロデューサーとワン・オン・ワンなアルバム作る達人だしね。まあ正直「Lo-Fi Fingahz」やAsiaの前作「Black Belt Theatre」の方が聴きやすい上に良いアルバムなんだろうが、それらの次に「聴き進める」という感じでお勧めのアルバムでしょう。
Gensu Dean & Planet Asia - Chuck Berry (feat. Shawn Pen)

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Inspectah Deck and 7L & Esoteric - Czarface


さて、今年ヒップホップのアルバムで今んとこ一番お気にと言えばこれ。Wu-Tang Clanの隠れ人気ナンバーワン!な我らがRebel INS.ことInspectah Deckと、ボストンのアングラ・ヒップホップデュオ7L & Esotericのコラボ、名づけてCzarface!。なんとも不思議な顔合わせのコラボだなと驚いたが、これが傑作だったのでさらにビックリ。7Lのトラックはドッスンドッスンした「ドラムブレイク」っぽさ感じるものが多く、今時逆に珍しいブーンバップで派手め。そんなトラックにDeckのラップがハマッてるというのはコラボならではの面白さも含めて最高ですね。Deckファンとしては他にラッパーいらないかも…位に思ってたりもしてたが、Esotericも得意のノンブレス気味ラップ決まってて中々いいじゃん、と。またアメコミな世界観をテーマにしているというとこで、トラックのサンプリングネタ(音&声両方)や詩にもその辺りが反映されてて、それこそマンガみたいなかっこ良さありありで。Ghostaceをフィーチャーした曲なんかWu-Tangっぽいトラックにアイアンマンの声ネタ乗ってたりしてね。ここ最近のWu-Tang関連ものではかなり大当たりなブツで、Wu-Tangのアルバムデビュー20周年も盛り上がるわいな!。
Czarface - Air 'em Out

映画みたいなビデオでDeck芝居もイケる!。

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