The Door Into Summers On Jupiter

Octave One - Summers On Jupiter

デトロイト・テクノの影の実力者、といった感じのバーデン兄弟のOctave One。初のフルアルバムだった前作はあんまり期待されてないHip Hopをしっかりやった曲とかあって、かなり肩透かされた諸兄も多かろう。しかし今作はガッチリとした硬派なデトロイトテクノで統一されたアルバムで大満足。ダウンテンポな曲もあるけど統一感があり。まあ変名ユニットであるRandom Noise Generationとの音の区別化がなくなっちゃった気がするのが唯一の突っ込みどころか。

あとこの人たちも正当な評価をされてない気がするグループだけど、たぶんわかりやすいギャラクシーな曲を1曲作れば簡単に神格化されそうな気がするな。「Hi-Tech Jazz」とかそれこそ「Mad Mike Diseaes」みたいな曲ね。


〜合わせて聴きたい作品〜


Inner City - Praise (1992) 

Octave Oneには「Blackwater」という名曲があるじゃんか!という意見があるかもしれないが、あれはオーヴァーグラウンドなアンセム。文句ない名曲だけどKevin Saundersonにおける「Big Fun」みたいなもんだ。そういえばKevinさんも評価が低いね。音が古く聞こえるかもしれないけど、このアルバムはゴスペル的高揚感を湛えたスバラシイ出来。これくらいのボーカルバランスのデトロイトテクノもそろそろ出てきてもいいと思います。


Random Noise Generation - Links In The Chain (2000)

バーデン兄弟の別ユニット。ハウス、ミニマル的シンプルさで打ち出すデトロイトテクノが最高。「タイト」とか「ソリッド」とかいう表現がピッタリの音だ。こういうのをもっと崇めるべきだと。


・・・ちなみに「Summers On Jupiter」は日本では昨年末にリリース済みとか。さすが世界有数のデトロイトテクノ消費国である。バリバリの消費者であるオレが言うのも何だけども。