Talib Kweli - Gutter Rainbows


2011年最初のヒップホップ注目盤は「モスト文系ラッパーアライヴ」Talib Kweliの新作。これがKweliのソロでは初の「良質なアンダーグラウンドヒップホップアルバム」といった趣です。ざっくりとした言い方すると、仕掛けも色々あるし地味ってワケではないけど全体的にこじんまりとした印象。まあそもそもソロアルバムデビューがヒップホップ黄金期に間に合わず、コンシャスなリリシズムを湛えたラッパーがメジャーレーベルからアルバムを出すこと自体が「ストラグル」だったような00年台を過ごしつつも前作でそれに決着をつけたようなカタチで迎えた今作、自身のレーベルからのリリースでクオリティコントロールも自分にあろう中この造りはむしろいかにも「良質なアンダーグラウンドヒップホップアルバム」やりたかったのかも、とか思ったり。下水に混じった油に虹のような輝きを見出し、その美しさを自らに投影して「This ain't fashion rap, I'm bringing the passion back」とラップするKweliを支持せずにはいられようか!。
Talib Kweli - I'm On One

うーんドロップ!。アルバムでは曲の終わりにEd Loverが「ところでMos Defはどこだ!」っつってて、笑っちゃった。


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Reflection Eternal - Revolutions Per Minute (2010)


KweliとHi-TekのReflection Eternalの2ndはほぼ10年ぶり!。こちらは新作で「居るべきところに戻ってきた」感じのKweliとは対照的に、この10年で様々なアーティストのトラック製作を手掛けたHi-Tekのプロダクションワークの広がりが反映されたアルバムに。1stをイメージすると「まとまりがない無い」と思えるくらいバラエティに富んだアルバムだけど、Hi-Tekのミニマムなビートとグルーヴは統一されてます。このアルバムはKweliの前作に近い印象で、Kweliの新作はむしろReflection Eternalの1stに近いような、ってのも面白い。あとReflection Eternalの1stには「シャウトアウト」でGil Scott-Heronが参加してたが、昨年出た御大の久しぶりのアルバムがReflection Eternal10年ぶりの2ndと同じ年だった、てのもね。
Reflection Eternal - Midnight Hour (feat. Estelle)

まあこの曲は例としてはちょっと極端か。


Idle Warship - Party Robot Mixtape


Kweliの過去のソロ作とReflection Eternalのアルバム全てに参加してるResは、今回「Gutter Rainbows」には不参加。・・・なのはこれがあるからでしょうね。Kweli、Res、そしてGraph Nobelの「オルタナヒップホップ」なユニット。女性陣の素敵さから言えばBEPみたいなブレイクがあってもおかしくないと思うけど。ただいかにも「ずっとアルバム製作中」状態な感じもあるのがね。ミックステープは出ています。
Idle Warship - Black Snake Moan