Oddisee - Odd Seasons


ここ数年何が腹立つかと言えば天気!。観測史上例を見ない何かなんてしょっちゅうだし、季節の変わり目も随分曖昧。特に真夏以外は一日で天候や温度が極端に変わるのがイライラするね!。「今日は例年並の暖かさ(寒さ)です」とか言われても例年並がもうわからん!、てなこと多い。そんな一方、その頃ワシントンDCのMC兼DJ兼トラックメイカーのOddiseeは、2009年から四季をテーマにしたフリーEPをリリースするなんて粋なことをやっておりました。このたびそのEP4作をまとめたアルバムが出て、まあ気の効いたリリース話だなということで早速チェック。基本はヒップホップビートのインスト集だがMCをフィーチャーしたトラックもあり、またテンポの速い曲もある。ラップが乗っていない曲はややインスト曲であることを意識して作られていて、トータルで言うとラップのビート集というよりはそれ以上のビートミュージックと言える音楽的な作品。四季ごとの音楽的な違いというのは極端にはなく、サンプルネタやシンセによる暖かくエモーショナルな質感は統一されているかな。ヒップホップファンにもダウンテンポやフューチャージャズなんかのビートミュージック好きにも薦められる、清く強く深く広きグッドミュージック。後は日本の天気もこれくらい穏やかならいいんだけど、今年の夏もアホみたいに暑いんだろうな...。


Oddisee - Odd Autumn (2009)


まず最初にリリースされた秋編。他の季節の特徴が全体的に出ているかも。全12曲で、5曲目「Pulp Fiction」、8曲目「Grey's Anatomy」、11曲目「Autum Run」、12曲目「Tell The Truth (feat. Nikki Jean)」の4曲が四季編に未収録。「Autumn Run」は秋らしい情景の浮かぶ良曲なんで入れてもよかったのでは?。


Oddisee - Odd Spring (2010)


なにかがはじまるような躍動感が感じられる春編。自身も含め半分にMC&ヴォーカルをフィーチャー。全10曲で、5曲目「Anticipation Rap (feat. Kingpin Slim & Oddisee)」、6曲目「In The Now Vocals (feat. Olivier Daysoul)」、10曲目「Two Way Street Rap (feat. Muneshine)」の3曲が四季編未収録。「Blooming」すごく良い。


Oddisee - Odd Summer (2010)


解放感というよりはさわやかな熱帯感を感じる夏編。音楽的なヴァリエーションがもっとも多く、「Viva Brasil」なんていかにもでタイトル通りの曲もあり。全8曲でラストの「That Day (feat. Muhsinah)」のみ四季編未収録だが、同曲はインスト版が収録されてる。


Oddisee - Odd Winter (2010)


寒さとそれを凌いで得られる暖かさ両方を表現したかのような冬編。6曲目「Right (feat. Stik Figa)」、7曲目「Carry On Instrumental」、8曲目「The Warm Up (feat. Homeboy Sandman)」、13曲目「Blizzard Of 09」の4曲が四季編未収録。「Blizzard Of 09」は入れてほしかった。エレクトロニカなテイストの「Flostbitt」が素晴らしい。