Danny Brown - XXX


「キャラクター性」はラッパーにはとても重要な要素だと思うが、それの際立っぷりが相当なのがこのDanny Brownだ。デトロイト生まれでDilla「Jay Stay Paid」、Black Milk「Album Of The Year」、そしてRandom Axeなんかにフィーチャーされてた、と聞くと硬派なラッパーイメージするかもしらないが、コレが実に珍妙な輩で。甲高い声にヴァリエーション豊かなクレイジーフロウ、ポップカルチャーネタ満載でキッチュだけどリリカルな詩。このフリーアルバム「XXX」はさらにサイケデリックなオーヴァードーズ真っ只中な世界観で、2曲目でいきなりドラッグが原因でこの世を去った有名人の名前を列挙して「ロックスターみたいに死にてえな」とのたまったり。ヒップホップにおけるドラッグネタは「自らがそこまでハードコアである」という意思表示なニュアンスが大きいと思うが、この「XXX」は純粋にドラッグとトリップ感自体をテーマにした曲が多い。しかも「カネを稼いでドラッグまみれ」という体では無く、寧ろ「拾った鉄くず集めて金稼ぐ」という曲があるほどで、普通じゃないセンスたっぷり。さらに本作はFool's Goldからのリリースで、過去のアルバムよりエレクトロニックやグリッチっぽい音要素が適度に増えていて、そのキャラクター性にものすごく良く作用してる。終始「変わってんな〜」と思いながら聴けるアルバムですよ。
Danny Brown - 30

I feel like Billy Corgan / In a church playing the organ / Covering Too $hort / Smoking a Newport...だいぶキマッてんな!。トラックもMetronomy「Nights Out」がサンプルネタでリズムパターン凄い。



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Danny Brown - Hybrid (2010)


昨年リリースの1stアルバムはトラックからすると良質なデトロイトヒップホップって感じ。ラップスタイルは現在のものになってる。
Danny Brown - Greatest Rapper Ever

前歯が!。現在はヘアスタイルも気持ち悪くなってて見た目のインパクト増してます。


Tony Yayo & Danny Brown - Hawaiian Snow (2010)


何故か昨年G-UnitからTony Yayoとダブルネームでアルバム出してるDanny Brown。不思議な顔合わせな上にLil Bまで参加してる珍盤ですな。

アルバムは全体的にチープな(安っぽい)味な上にこの曲はホラー。嫌いじゃない。


Danny Brown - Hot Soup (2008)


ほとんどの曲をNick Speedがトラック製作した実質的なデビュー作?。独自の言語センスはあるけどラップは今と比べるとストレートにカッコイイ。「XXX」はこれや「Hybrid」からはかなり大きな変革を感じるんで印象大分違って聴こえる。どっちも良いけどほとんど別物、みたいな。「合わせて聴きたい」に挙げといて何ですが。
Danny Brown - Let's Go

実に涼やか。アルバムもこんな風味。分裂気味で面白い奴だ。