J-Live - S.P.T.A. (Said Person Of That Ability)


さしずめワンマンバンド。アンダーグラウンドヒップホップ界の良心、J-LiveのニューアルバムはカヴァーのアートワークにもあるようにMC、プロデューサー、DJの三役を一人で賄うというコンセプト。まず一つ、プロデューサーとしては自身が手掛けるジャジーでややオーガニックな作風のトラックメイカーとしてはもちろん、Nicolay、Marco PoloRJD2辺りの外注トラックメイカーも起用しつつバランスが取れてる総合的なプロデューサーとしての腕前も確か。二つめに(DJイングの)DJとしてのカッツも鋭さ十分。そして三つめ、内容だけでなく言葉の選び方や表現にいたるまで微に入り細をうがって煉られている歌詞を操るスーパーMCぶり。これらだけでも大変なもんだが、アルバム全部丸々一人でやってるってワケじゃなく三つのパーソナリティが三人組みのバンドだったら...というイメージで製作しているという試みなのが本作のポイントで、なるほど、実際曲ごとにその個性の出方がランダムで面白い。単になんでも出来るってだけでなく、そのディスプレイの仕方がニクイときておる。まあ本作に限らずJ-Liveってもしかしたら隙が無いのが玉にキズみたいなとこあるかなとか思ったが、そんな言い様するのはこっちが「勝手なリスナー」ってパーソナリティ一個しかないから!。でも聴いてると「せめてグッドリスナーを目指そう」という気になるグッドミュージックだな。
J-Live - No Time To Waste

二人のMCの掛け合いを一人で披露するようなつくり。フックで言ってることすごくカッコイイ。渋いトラックはDiamond D!。



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J-Live - Undivided Attention EP (2010)


去年出た新作の予告っぽいEP。「S.P.T.A.」とこれをカップリングした2枚組スペシャルエディション盤も出てるそうです。
J-Live - The Way That I Rhyme (feat. Boog Brown)

"Tell'em real DJs don't take requests!"


J-Live - The Live Identity Mixtape (2011)


代表曲からレア曲まで。90年代から最新作まで。全30曲でJ-Liveの歴史をざっくり知れるミックステープはオフィシャルサイトにてフリーダウンロード可。ミックスはもちろんのこと、ここではホストまでJ-Live本人がやっとります。メジャーレーベルが適当に出すベスト盤風なアートワークも笑わせる。
J-Live - Braggin' Writes (Revisited)

もちろんこいつも収録。