JJ Doom - Key To The Kuffs


MA Doomに続いてはJJ Doomだと?!。しかもJJはJneiro Jarel、つまりトラックメイカーさんなので今回はDoomのラップが楽しめるっちゅう寸法のはず!、という期待が高まるのがMF DoomJneiro Jarelのコラボアルバム「Key To The Kuffs」。JJのトラックはエレクトロニックでアブストラクト、そしてJneiro JarelだけでなくDr. Who Dat?やShape Of Broad Mindsなど別名義でリリースしてきた作風も感じられるサンプリングや生音を使用したものもあり。そんなラップのっけるにはかなりチャレンジングなトラックに、Doomは「フロウのスタイルがどうの」とかそういったレベルを超えた、もはや「Doomであり続けている」といった風情のラッピングを披露する、見事なケミストリーで期待通りの内容だ!。...ただし8曲だけね。え〜本作、全15曲中4曲がインスト、2曲はゲストを迎えてるのにDoomは登場しないという構成で、Doomのラップが聴けるのはそれ以外の8曲だけってこと。アルバムのトータルタイムは40分ちょいでそれは物理的に少ない!。 Doom登場しないゲスト曲の内片っぽはフィーチャリングKhujo Goodieって、そりゃWilie Iszの曲ってことじゃないの?とか。Doomがラップをしてる8曲はどれも良いが、曲数が少ないことで派手な曲と地味な曲の差がやや目立つふうもあって、なんだかシングルのA面とB面の曲みたい。って、それこそ本作、EPだったらクラシックEPっつっても問題なかったか。ちなみにDamon AlbarnやBeth Gibbonsをフィーチャーした曲もあるが、それぞれBlurPortisheadの曲サンプリングして作ったみたいな感じ(曲自体は良いけど)。あとThom Yorke製作「Retarded Fren」のJJ Doomヴァージョンもあって、これは聴き応えあり。しかし「マスターピース」って言葉に物量の少なさで手が届かないって、モッタイナイ。
JJ Doom - Guv'nor

チャリに乗るDoomの姿は中々レア。



JJ Doom - Banished

恐らくDoomの最速フロウ!。



JJ Doom - Winter Blues (Live on BBC Radio 4)

ロマンチックでビューティフルなアルバムのクライマックス。の、BBCラジオでのライヴ。



JJ Doom - Rhymin Slang

"No guts no glory, what your story / Bore me poorly, saucy oftenly, enough for coffee / Rarely scarcely scary clary stare, let's be very clear / MCs is derriere, as well as aware, wearily / Just dont be nearly near you hear me?"...ライミングに取り付かれたようなDoomのラップが圧巻。しかしビートはアルバムの中ではやや平坦、でB面の曲っぽいイメージ。


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Viktor Vaughn - (VV:2) Venomous Villain (2004)


DoomMadlibとの「Madvillainy」、Danger Mouseとの「Danger Doom」、Viktor Vaughn名義の「Vaudeville Villain」と、過去トラックを他者に委ねて自身はラップのみに集中したコラボアルバムを出していて、これらはどれもヒップホップクラシック。でも「Key To The Kuffs」聴いて思い出したのはViktor Vaughnの2ndの方。エレクトロニックな音で35分ちょいと短いし。ただこちらは適当に曲を集めたような内容で、しかもCDのおまけに入ってるムービーはDoom関係なしときてる。一方でDiploプロデュース曲や、Kool Keithフィーチャー曲など聴き所も極端にあったりするし。これよりは「Key To The Kuffs」の方がちゃんとしたアルバムではあるが、恐ろしくクールなアルバムカヴァーとかモッタイナイ。
Viktor Vaughn - Back End

かっこいい!。が、歌い出しの「Dub it off your man, don't spend that ten bucks / I did it for the advance, the back end sucks」って、なんちゅうこと言い出すんだ。


Jneiro Jarel - Android Love Mayhem EP (2010)


JJの前作ってこのEPでしたっけね。どんどんエクスペリメンタルなビート&サウンド・ジャーニーを突き進む内容に面食らったものの、「Guv'nor」とか聴いてるとDoomならラップ乗っけられそうに思える。正直このEPのトラックとか流用した曲作ってJJ Doomに足しても文句そんななかったかも知れないよ。Doomがビートのリサイクルよくするのは知ってるしね(Doomへの唯一の突っ込みどころ)。
Jneiro Jarel - Android Love Mayhem EP Trailer