Got Coke?

La Coka Nostra - A Brand You Can Trust

前回のSoul Assassinsエントリ、言及してしかるべきLa Coka Nostraにあえて触れなかったのは彼らも初のアルバムを出してきたので本日取り上げる為だったって寸法でな。そしてこれが意外にもめっぽうカッコいいアルバムだったので驚いてるとこよ!。以前にも軽く触れた彼らはHouse Of Painのオリジナルメンバー3人にSlain、Ill Billが加わった「悪い白人ラッパー」(聞きようによっちゃ差別的な響きだけど、あえていい意味で使ってます)たちによるスーパーラップグループ。なんだけど今回のアルバム、ややテンポが上がったビートを持つトラックに、ガナるようなラップぶりが予想以上に在りし日のHouse Of Pain風なのがビックリ&イイ!。あくまでアンダーグラウンドハードコアなまま、当時のファンキーでアッパーなノリを蘇らせてる。さらにEverlastはソロで展開したブルース風シンギンまで披露。これまで歩んできた道を否定しないのがいいなあ。悪カッコいいです。



アルバム内容をザッっと。止め絵に6人写ってるけど、Big Leftも正式メンバー扱いなのかな?。



〜合わせて聴きたい盤〜
House Of Pain - Same As It Ever Was (1994)

Run DMCの「WalkThis Way」のヒット以降ポピュラーミュージックとして成長していったヒップホップは80年代末ごろは音楽的にも人種的にもどんどん広がりを見せていったんだけど、「酒とケンカ好きな荒くれモン」というステレオタイプアイリッシュ像で、ロックなタテノリすら感じさせるファンキーな白人ヒップホップグループとして登場したHouse Of Painはその現象の代表的な例の一つと言ってもいい存在だった。「Jump Around」はそのアンセムであった上で、ヒット曲でもあったと言いたい。ところが90年代に入ってしばらくすると(ある種それの反動もあるんだろうけど)ヒップホップは極端なハードコア回帰の動きが進み始め、Nas、Primo、Mobb Deep、Wu-Tang、Black Moon、DITCといった連中のNYヒップホップが主にシーンを形成しだしたその時期は、ヒップホップにとっては重要な時期だったものの、結果House Of Painの様な存在を「ナシ」扱いにしてしまったきらいが出てきてしまう。当時彼らの兄貴分的存在のCypress Hillですらコアなヒップホップファンに揶揄されたフシがあったほどで、仕方ないとはいえ後に客観的に思えば不運としか言いようがない気運のままグループは96年に解散。そこでここではセカンドアルバムを取り上げて見ます。Cypress Hillの1stのファンキーなサウンドをアッパーに仕上げたセルフタイトルの1st通称「Fine Malt Lyrics」に続くこれは、やはりCypressが2ndで確立した唸るようなウッドベースとラフなブレイクビーツの組み合わせの、暗く疾走感のあるスタイルで作られたもので、まあ簡単に言えばどエラくカッコいいっての!。で、La Coka Nostraはこの頃のノリが確実にあるのがとても嬉しかったのだ。


House Of Pain - On Point (Daily Motion)
http://www.dailymotion.com/video/x1yapx_house-of-pain-on-point_music
House Of Pain - On Point (Yahoo Video)http://new.music.yahoo.com/videos/House+Of+Pain/On+Point--2142752
↑YouのTubeになかったのでMeことオレが見つけた上記リンク(消えてた時の為二つも用意)で見て聴いてみて欲しい「On Point」。アルバムのカヴァーにも使われた地下ボクシング的イメージのビデオで、カメラ割り、ロケーションに雰囲気と映像も全てがカッコいい。飲みすぎか吸い過ぎがEverlastのダミ声ガナりにも拍車がかかってるし。Ill BillやSlaineまで参戦のLCNはさしずめ地下プロレス的カッコよさか。



Everlast - Whitey Ford Sings The Blues (2003)

さて、散り散りになった3人はというと・・・まずEverlastは当然ソロに動き出すんだが、なんとギターを抱えたブルースシンガーへと変身してしまう。彼らへのハードコアヒップホップシーンからの風当たりがいかに強かったかがうかがい知れよう。しかし、さしずめヒップホップブルースといった作風を確立したEvelastはソロ活動期間中もラップ&ヒップホップ感を失うことはなかった。それなりの成功と結果を残したのはそれがあったからに違いない。で、そのEverlast「では無い方」ことDanny Boy O'Connorはラッパーとして大して活躍しなかったのは予想できたが、こちらはなんとグラフィティアーティストへ転進。後にストリートブランドDissizitを立ち上げるグラフィティアーティストSlickなんかとつるんだりする。LCNのロゴやアートワークは彼らが担当しているが、実はHpuse Of PainのアートワークもDanny Boyによるものらしい。LCNのアパレル展開は片手間ビジネスではないのが分かる。最後にDJ LethalはLimp Bizkitのメンバーとして活躍することになるのはロックファンにはお馴染み。意外にもメンバーの中では世間的な成功を最も手に入れることになったばかりか、90年代終わりから2000年代頭のヒップホップを吸収したラウドロックのキーパーソンとなった。LCNの今回のアルバムはDJ Lethalがほとんどのトラックを作り、Danny Boyもちゃんとラップしてるのが「!」だ。



Santanaが若いアーティストたちとコラボしたアルバム「Supernatural」からEverlastとの名曲。思えば中々ドラマチックな歩みを得て来てる3人を振り返る時に聴いてるとバッチリだった。「明かりを灯してくれないか」。



Ill Bill - Hour Of Reprisal (2008)

こうして再び集結したHouse Of PainがSlaine、Ill Bill(とBig Leftも?)を加えてLCNを結成、現在に至ると。Slaineは以前軽く取り上げたんでここではIll Billを。90年代頭から白人ゲテモノラップ(いい意味で使ってます)の最高峰Non Phixionのメンバーとして活躍。エログロ猟奇趣味のもからやや陰謀論的なポリティカルトピックをラップするいかにも「アングラ」なラッパーである。2004年にソロデビューしてて、LCNと平行してソロもやってく模様。なお言うまでもないが映画「キル・ビル」は名前の元ネタではありません。絶対好きだろうけど。


アニメがカッコいいビデオ。LCNのアルバムにも参加してるImmortal TechniqueはそれこそFBIの不当なガサ入れにあったこともあるという超ポリティカルラッパー。



・・・2000年代も終わりになって以前の色んな音楽スタイルが戻ってきたりしてるのは過去にも触れたけど、La Coka Nostraの今回のアルバムはそういった時代的なものもあるかも。十何年を得てHouse Of Painがヒップホップシーン的に「アリ」に戻ってきたのは感慨深く嬉しいもんである。まあ悪いオッサンたちが相変わらずやってる感じ!、ってのも単純に嬉しいかな。最後にHouse Of Painの動画漁り中にめっけた「Jump Around」色々でおまけ。なおオリジナルとEverlastのヴァージョン意外のもの集めてみました。




さしずめ公式ラウドロックバージョン。Limpもまたいつか「アリ」になるのかな。



レイドバックしたSnoopのフロウで聴くのもオツなものが。



エレクトロニックなカヴァー。声のエフェクトがおもしろい。



Des Bishopというアイリッシュのコメディアンのアイルランド語ケルト語?)カヴァー。「レイム・ハー」っつうんだね。響きが飛び跳ねてる感じ薄い。やっぱ「Jump」って単語、濁音で始まり破裂音で終わるのがすごく飛び跳ねる感じ出てるんだな。・・・ワシは何の分析をしておるのか?。



グライムアーティストLethal Bizzle。トラックはそのまんま。



「Jump Around」動画漁ってたらやたら出てきたのがウィスコンシン大学のもの。調べてみたらなんでもフットボールチーム、ウィスコンシンバッジャーズのホーム、キャンプランドールスタジアムで行われるゲームの際は、ハーフタイムショーに「Jump Around」が流れてみんなで飛び跳ねるのが慣習なんだそうな。えーっと、このスタジアム、キャパ8万人だそうです!。どうやらゲン担ぎ的に始まってお約束になったらしいんだけど、それがあるにしても「Jump Around」が8万人をたやすくロックできることを知らしめる衝撃映像である。行って飛び跳ねてえな!。合唱もしてるしスゲえ楽しそう。あとこの曲実はすごく悪い歌詞なんだけど、それで盛り上がってるのも含めて最高だ。


空耳アワード93
http://www.casttv.com/video/1lud55/1-3-3-video
なんと空耳すらある「Jump Around」!。大したネタじゃないですけどね。このサイトで0:58秒くらいから。関係ないけどローリーがヒドい。



・・・あとVanilla Iceのカヴァーもあったけど予想通りのショボさだったんでスルー!。「Jump Around」やってダサいってあいつダメさがモノホンだな。もっかい3rd Bassにボコられてろ!。ってか調子に乗って動画乗っけすぎました。重くなってたらごめんね。