Submerge Till We Become The Sun
Maxwell - Black Summer's Night
生きておったか!。元気にしておったかモジャ公!。ニュークラシックソウルの旗手、「男Sade」ことMaxwell、8年ぶりのニューアルバム!。相変わらず「薄味」という言葉をポジティヴな意味で使いたいグルーヴ&ヴォーカルは8年前と変わらず、実にタイムレス。アーバンというか、「都会感」をシュミレートした音楽としても相変わらず一級品だ。しかしヴォリュームもあっさりだけど、聞くとこによると今作は3部作の第1弾という位置付けの作品だとか・・・。ちゃんと全部出るのかな。次はまた8年後で!くらいの感じ、無きにしもあらずだけに。あとモジャ公なんつって失敬!。髪切ってサッパリしてるのに(そういうことじゃないでしょうが!)。
〜合わせて聴きたい盤〜
Maxwell - Urban Hang Suite (1996)
90年代後半、アコースティックな肌触りの70年代ソウルを当時「今やってみた」ソウルアーティストたちが多々出てきたのをひっくるめて言ったのが「ニュークラシックソウル」。目指したものは似通っていたかもしれないが、実は個々のアーティストたちはそれぞれ個性があったのも大きな特徴で、Maxwellはよりライトなソウル&フュージョン寄りのそれだった。「アーバン」という言葉はやや煌びやかなイメージがあるし、音楽のイメージを評するときもそれで使われる言葉だけど、Maxewellは都会の孤独や虚無なところまで表現した究極のアーバンミュージックといった風情があった。そんなデビュー盤。彼に限らずニュークラシックソウルのアーティストってデビュー盤ですでに完成してる人が多いね。
ニュークラシックソウルの口火を切った、これだけで80年代におけるPrinceのように、90年代のカリスマとなったD'Angeloのデビュー盤。A Tribe Called QuestのAli製作の曲があるように「ヒップホップ時代のソウルミュージック」の一番手的作品としての一面も大きい。しかしこのDの奴もライヴ盤を挟んで2000年のセカンド以降はリリース無し。しかもここ10年くらいはちょいちょいヒップホップを中心に他のアーティストの作品に顔を出してるかと思えば、事故って死にそうになっただの、激太りしただの、ドラッグだかアルコールにはまっただの、そんなニュースばっか。Maxwellの新作リリースで少しは「やべぇ。オレもそろそろ出さなきゃさすがにシャレになんねえかな」くらい思ってくれてればいいのだが。
Sweetback - Sweetback
Sadeのバックを勤めるメンバー達によるSweetbackのファースト。Sade抜きを音楽的にも意識したインスト中心だが、Maxwell参加してる。
Nas- Street Disciples (2004)
ゲスト客演の類がとても少ないMaxwell。Alchemistの新作以外ではこれくらい?。軽快な「No One Else In The Room」は貴重なジャムだ。
William Devaughn - Be Thankful What You Got (1974)
実は日本や英国では「フリーソウル」とか「レアグルーヴ」といった言葉で比較的早い段階から主にDJ感覚的に70年代のソウルミュージック再評価ってのは盛んだったね。Curtis Mayfield、Stevie Wonder、Marvin Gayeなどなど。アメリカでは遅れてきた分、当時のスピリッツを蘇らさんとするアーティストたちがこぞって出てくるという形でムーヴメントになっていった気がするんだけど、2000年代はR&Bのひとつのスタイルとして定着していったんで、「ニュークラシックソウル」って言い方は改めてされなくなったようです。そんな70年代ソウルの名盤。Massive AttackやCleveland Watkissのカヴァーで有名なタイトル曲、Maxwellのカヴァーでも聴いてみたい。