I'm A Grime Kid

Maniac - New Age Grime

久しぶりにUKのチンピラ感あふれる音楽を聴いてみよう。ブリティッシュ・チンピラ・ミュージック、略してブリチンをここんとこ取り上げてなかったんで、もう「ブリチンはどうした!」「もっとブリチン出せ!」「ブリチンで表に出ろ!」という声が聞こえるような気がして、ここは一肌脱がねば!という気満々です。早速Maniacの「New Age Grime」ってアルバムを。とにかく「しかし君、マニアックって!」と言いたい名前も何ならアルバムタイトルのセンスもなんちゅうかグライミーなこやつ、なんとハタチそこそこくらいのトラックメイカーだそう。で、正直かなりカッコいいです。図太いベースラインに加え、ウニョウニョしたシンセベースが全曲かなりキてて。重たいキックに破裂音のようなスネアのリズムは「ダブステップ以降のグライム」を感じさせるモノもあるし、グライム特有のやたら劇的なメロディーやリズム感はUSのサウスヒップホップ、トラップビーツからの影響も見て取れる。グライムのアーティストたちって米ヒップホップからのある種ミーハーな憧れが凄くあって、そこから来るカッコ良さとダサさも魅力だと思うんだけど、その辺りもばっちり。それでMCやヴォーカル等は一切ナシ、という作りに「インストゥルメンタル二スト」としての誇りがあるな。しょうもない書き出しではじめたのが申し訳なくなってきた。


〜合わせて聴きたい盤〜


Wiley - Play Time Is Over (2008)

以前取り上げたWileyの「Rage Against Time」にも数曲トラック提供してたManiac君。その前のこちらにも1曲だけ製作曲があるけど、聴き直したらこの曲だけビートとベースの鳴りがずば抜けて凄い。深夜に聴いてて慌ててウーファーのヴォリューム下げたほど。



Tinchy Stryder and Maniac - Tinchy Stryder VS Maniac (2008)

グライムMC、Tinchy Stryderとの「対決盤」ミックステープ。半分がヴォーカル入りで半分がインスト。ラストの曲は「New Age Grime」の1曲目のヴォーカル入り版。