Double-Barreled Enthusiasm

Marco Polo & Torae - Double Barrel

今日は2009年度マイベストアルバム、そのヒップホップ部門のナンバーワン候補を発表します!。「The Blueprint 3」じゃないよ!、カナダのトラックメイカMarco PoloとNYのラッパーToraeのコラボアルバム「Double Barrel」です!。これがかなり意外な傑作で度肝を抜かれたシロモノだったのだ。毎度おなじみ90年代ヒップホップサウンドな上に、派手で「いなたい」とか「ダサカッコイイ」なんて評されるような勢いのあるトラック&パワフルなリリックを吐き出すラップ。「あの頃」を感じさせつつもノスタルジーだけに留まらない、文字通り前に進んでいくかのようなゴツくて熱い仕上がり。いい意味でえげつない、90年代ハードコアシットのアップデート版といった具合。それでアンダーグラウンドラップらしい渋さとドープネスを兼ね備えていて、基本全曲バンガーってなアルバムだ。最強すぎやしないか!?。ハードコアラップの次なるディケイドの指針にさえ成りえるかも。いや驚いた。フィーリン・グッドです、Primo先生!。


〜合わせて聴きたい盤〜

DJ Concept, Marco Polo & Torae - Armed & Dangerous Mixtape (2009)

イントロダクションなミックステープ。もちフリー!。Marco Polo & Torae以外の曲も入ってるが、どれもイイな。


Torae - Daily Coversation (2007)

NYラップの新たなる世代を担うTorae、そのデビュー盤。Marco PoloやPrimo先生はもちろん、9th Wonderなんかも参加してるトラックに乗って、安定したラップを聴かせるグッドなソウル溢れるアルバム。しかし「Double Barrel」はラップぶりにかなり力強さが加わってて、その後に聴くととても落ち着いてるみたいで、それこそ印象が違うと感じるほど。ちなみにTraeって奴いるけどあれはヒューストンのラッパー。こちらは「トラエ」さんです。


Marco Polo - Port Authority (2007)

カナダはトロント出身で現在はNYに移り住んでいるトラックメイカMarco Polo。Masta Ace、Sadat X、Boot Campなんかのアルバムでトラックを製作してイーストコーストヒップホップ魂を磨き、その後作り上げたのがこのアルバム。サウンドはもちろんAce、G Rap、SadatからBuckshot、O.C.、Large Professorらを迎えてRawkus Recordsからリリースという徹底振りにマニアがそれはシビれた一枚。「Double Barrel」のゲスト陣はというとAce、DJ Revolution、Guilty Simpson、Saukrates、Lil Fame、Heltah Skeltaの2人など、これまたイイ面子ばっか。


"I write rhymes and insert them inside your vein. They run through your bloodstream, get inside your brain. Cause I first put my name up inside the train・・・"って歌い出しからカッコよすぎるよ!。Aceはマイフェイバリットラッパートップ10(デッドオアアライヴ)の10人・・・いや5人に入るほど好きなラッパーだ。


M.O.P. - Warriorz (2000) / Kool G Rap - The Giancana Story (2002)

「Double Barrel」聴いてて思い浮かんだのがM.O.P.の「Ante Up」とG Rapの「My Life」。奇しくも2000年代の頭に出たこの2曲を聴いて、当時「00年代のハードコアラップの指針になるハズ!」と歓喜したもんだったが、そんな感じの曲はそれほど出て来ないまま「Double Barrel」まで10年近く経っていたとは・・・。もしくは単にこういう曲調のものがたまたま再び出てきただけだったりして・・・。いや、そんなはずは無い!と、プロフェットこと「オレ・ザ・ダメイジャ」が予言するぜ!。