Everything Is Fair When You're Livin' In The City

Nicolay - The City Lights Vol. 2: Shibuya

ダッチマスターことオランダのトラックメイカーNicolay、2005年の「The City Lights Volume 1.5」に続く続編が登場!。ご存知の通り今回は渋谷がテーマ、気になる!。当然「勘違いオリエンタル」みたいな感じはなくて、Nicolayがインスパイアを受けたという渋谷の情景をあくまで彼の音楽で表現しているというのがポイント。どんどん音楽性が高くなってもヒップホップのビート感やグルーヴ、エレクトロニックミュージックの音の感触などは失わないのが嬉しい。そして「街の灯」と名づけるだけのことはあるスムース&アーバンな音で構造的にはクラブミュージックだけど、どこか暖かさと品のよさを感じさせるのもいつも通り。で、今回はさらに異国の地(都会)を訪れたとき感じるゆったりとした高揚感のようなものがとてもよく表現されている気がして、これが大変素晴らしい。音楽というのが作り手の感情をダイレクトに映し出し、聴く方がそれを共有できるものであるという基本的なことを強く感じました。そして渋谷がこの人の感性を喚起した、と逆に言えばなんだかすごく嬉しい。ただ、日本人が聴くと照れくさい感じがちょっとしたりするかも。「いや、そんなオシャレじゃないっすよ〜、まいったな〜」みたいな。ただ海外のサイトでこのアルバムを聴いた感想を見てみると、絶賛が多いものの渋谷について言及してるものは見当たらなくて「行ったことないか?」なんて優越感にも浸れるな。オレは来週あたりこれを聴きながら渋谷をぶらぶらしてみようと思う。これを聴きながら歩く、ってのが目的になるなんていいアルバムでしょ。ただでさえグッドミュージックな上に!。


「渋谷」案内動画。



Nicolay - The City Lights Volume 1.5 (2006)

ヒップホップ感というかThe Foreign Exchange感がやはり強い1作目たる「1.5」は特定の都市を想定して作られたものではない模様で、普遍的なアーバン感に溢れている。ビートアルバムと言った方がいいですかね。ちなみに最初「Volume 1」が出て、曲を追加&リマスターしたものがこの「1.5」。基本全曲インストで、「Shibuya」は数曲ヴォーカルを収録。


Nicolay - The Dutchmaster Mixtape Vol.1 (2005)

NicolayがThe Foreign Exchangeの1stの後出したミックステープ。CommonやLlittle Brotherなどモダンクラシックヒップホップを含むトラック群を自作のモノにとっ変えた、トラックメイカーらしいグッドなミックステープ。2007年に2枚組みでリイシューされてるけど、これの続編も期待したい。


某曲でお馴染みの名曲をブレンドしたリミックス。Eye Know!。・・・ただこの動画エディットしてる?。アルバムのヴァージョンは後半がもっとドラマティック。

The Foreign Exchange - Connected Instrumentals (2004) / The Foreign Exchange - Leave It All Behind (2008)

The Foreign Exchangeは当初Phonteと「オランダの謎のトラックメイカー」とのユニットといった印象だったけど、作品が全貌を現すやNicolayの名と実力はすぐに世界に知れ渡ることになったのはお馴染み。1stはPhonteとNicolayが合うことなくトラックをメールでやり取りしてお互いの国で作り上げていったというのもイイ話。セカンドは以前「ガッカリ」みたいな書き方したけど、The Foreign Exchnageの1stを意識していたからのことで、4 Heroのようなニュージャズ的な、音楽的に昇華された素晴らしい出来なんで改めて強調しておこう。1st「Connected」にはインスト盤があり、2ndはインスト盤付き2枚組み。Nicolayサウンドをたっぷり楽しめる。


Nicolay - Here (2007) / Nicolay & Kay - Time:Line (Instrumentals)(2008)

Nicolayは07年に複数のラッパーをフィーチャーしたアルバムを、その翌年にはテキサスのThe FoundationのメンバーKayをフィーチャーしたアルバムをそれぞれリリース。さらに深く暖かいヒップホップサウンドを展開。こちらも「Time:Line」にはインスト盤が、「Here」はインスト付き2枚盤がある。「Shibuya」は確実にこれらやThe Foreign Exchangeの作品の要素がバランスよく存在してる。