Beat UK?
P Money - Money Over Eveyone / Tinchy Stryder - Catch 22
ご苦労様です！。出た！、まさかのときに現れるGrime Scene Investigation！。略して「GSI：グライム捜査官」！。それはオレがグライムを聴くときに気分で名乗る仮の姿であります。主な活動内容は二つ、グライムのアルバムを聴いて動画を見ること。そしてネットで情報を色々調べて・・・三つか、そののちブログに書きしたためる・・・四つです！。イベントがあれば行くかもしれないんで五つだ、五つ！。数には弱いんだよな。そんな本日の捜査報告は1件・・・いや2件。P MoneyとTinchy Stryder、共にグライムMCのアルバムです。
まずOG'ｚのメンバーでもあるP Money。これはすごく良いアルバム。ビート＆ベースが激しく、レイブからダブステップまで飲み込んだサウンドで、うるさいシンセにアグレッシヴなラップまでグライム特有のギラギラ感がよく出ております。ヴォーカルをフィーチャーしたテンポを落とした曲も数曲ありますが、そのギラギラグライミーが欠けていないのでアルバムの統一感も欠けていません。グライムのアルバムとしてはマイナスポイントが見つからないほどの模範囚・・・いや、模範盤と言っていいかと。ただ頭で「これミックステープ」っつってるんで正規のアルバムとして受け取っていいのかという点のみ気になりました。一方問題なのがTinchyの方。こちらは良くも悪くもポップな音作りで「うるさシンセ」が全編気恥ずかしいメロディ全開。ユーロトランスみたいなものまで出てくるに至って「あちゃー」と。で、ガラージっぽいリズムの曲もあるものの、総じて評すればグライムと言うよりもヒップホップやR&B、さらに言えば90年代の「UKチャートミュージック」っぽい印象です。そう、昔「Beat UK」っていうUKのチャートを紹介する番組を90年代に地上波でやってて、あれ見てたら突然10位以内くらいに入ってる「なんだこれ？」って思うクラブミュージックを取り入れたポップな曲が頻繁に流れてて、あの感じ思い出しました。音の質感は今っぽいのに。なので実はそういう風に思って聴くとこれ結構面白いアルバムですが、そんな本作、UKのナショナルチャート初登場2位！。収録されてるシングルの内2曲が1位になったとのこと！。それこそ本当にUKのビートミュージックってより「ビートUKミュージック」だったんであります！。以上です！。
↑スーパーグライムブラザーズ！。 Royal-Tという奴の「1 Up Shatap」という、グライム界では有名なリディムなんだそうな。
↑かなりダブステップっぽい。いいね。
↑New Order？。この曲はビートを意図的に古っぽくしてるフシあるけど。
↑問題の曲。斬新と言えば斬新かも？
〜合わせて聴きたい盤〜
P Money - P Money Is Power (2007)
P Moneyの前作。ラップ、トラックどちらも実にちゃんとしたピュアグライム。Dot Rottenって奴のトラックがダンスホールっぽくて面白い。「Money Over Everyone」はこのアルバムを更にハードにした感じだが、どっちも正規のアルバムじゃないミックステープなのか？。
Tinchy Stryder - Star In The Hood (2007)
Tinchyの1stは比較的グライムで普通にイケる曲もある一方、今聴くと「Catch 22」への悪い予感といった曲もチラホラ。あとBashyのアルバムはUSのヒップホップやR&Bっぽさに最初面食らったけど、思えば全然よく出来てるな。
Tinchy Stryder - Cloud 9: The EP(2008)
去年出た9曲入りEPはManiacやSkeptaなんかが作ったトラックにハードなラップの、がっちりしたグライム。ブリティッシュやさぐれミュージックでかっこいい。ただ、今や逆にアンダーグラウンドへの「申し訳」みたいに聴こえるような。「Catch 22」はWileyの親分が聴いたら怒るんじゃねえの？と心配したが、2枚組みヴァージョンのボーナスディスクに収録のリミックスで参加してんのね。
