Duck Em Down!

KRS-One & Buckshot - Survival Skills

もうSoldier Boyあたりにオッサン呼ばわりされても仕方ないか。しかしリアルヒップホップファンなら感嘆驚愕のコラボアルバムがこちら。KRS-OneとBuckshot!。コレはとんでもない顔合わせ。このブログでさんざっぱら語ってる「例の」ヒップホップ、その頂点たる一枚の予感がビシビシ。確か過去にあんま絡んだことは無いと思うが、先行トラック「Robot」の「今頃のヒップホップときたら!」節の時点でもう最高で。そして肝心のアルバム、リリースは今年B-Real、Marco Polo & Torae、Skyzooと好調な供給が続くBuckshot率いるDuck Down Recordsからで、これがまたしても充実の内容!。Black Milk、Nottz、Havoc、9th Wonder、Illmind、Maraco Poloなど10組近いトラックメイカーが気合いの入った仕事ぶり。まあウチのブログで取り上げる作品ではお馴染み過ぎる面子でその点でも固いっちゃ固いが。そしてKRSとBuckの「ヒップホップとはなんたるか」と言わんばかりのMCイング!。つい耳を傾けて、作業の手も止まりがち。素晴らしい。ただ、ゲストフィーチャーもすごく多くて、そこは「KRSとBuckの2人でガチンコラップ対決と来た日にゃアルバム聴いた後ヘトヘト!」位の作りでも良かった気も。「KRS-One & Buckshot」というより「Duck Down featuring KRS-One」のアルバムという印象を受けなくもない。まあゲストの面子は極めつけにイイし、どっちがいいかという類のもんでもないけど。実際、特にMary J. Bligeの参加にはグッときたな。ヒップホップに酔いしれるひと時といったアルバムでしょう。もうこれからは「90年代」か「09年」か、って認識でいこう!。


↑ビデオがまた凝ってる。日本人のラッパーも「春になりゃどいつもこいつもサクラサクラ言いやがって」みたいな詩あってもいいのにね。「キミ、キミうるせえ。やすしきよしかよ、てめえら」とか。

KRS!、BDI!、MJB!。Black MilkのトラックにMary Jってのも驚きの顔合わせ。




〜合わせて聴きたい盤〜

Buckshot & 9th Wonder - The Formula (2008)

Buckshot Da BDI Emcee!。「Buckshotいいよね〜」とかつぶやきがちな輩は真のヒップホップファンとして信用していいぞ!。やはりこの男の「喋り方」のカッコよさと言っていいラップぶり!。自分のリズムを持っていて、なおかつトラックに乗れるってことか。ただアルバムリリースはあまり多くなくて、Black Moonで3枚、ソロが3枚のみ。そのソロも1枚めは何故か2Pacの死にインスパイアされた「BDI Thug」というよく分からないキャラ付けのアルバム。「Thug」なんてターム、アンタが持ち出さなくても・・・と思っちゃうような。で、残り2枚は9th Wonderとのコラボ。これらは大変いい出来だがリリースのバランスはどうかな。今回もコラボだし。そろそろがっちりしたソロアルバムを聴きたい。にしても、Buckshotいいよね〜。


Rakimの、「ネタ使い」ではなく「カヴァー」!。それでカッコいいなんて相当だ。

Mary J. Blige - Remixed And Unreleased (2005)

Ghostfaceの新作聴いたときも思いを馳せた90sの「R&Bヒップホップ」もしくは「ヒップホップR&B」。またまた色々聴きたくなってきた。そしてMJBはヒップホップ永遠の恋人といった感じですね。そんな「恋愛遍歴」が聴ける大変グッドなアルバム。アンオフィシャルリリースで今はレア盤みたいのが何ですけど。


Smif-N-Wessunとの共演もあったあった。


KRS-One - A Retrospective (2000)

そしてThe Teacher、The Blastemaster KRS-One!。ラッパーっつったらこの人とかChuck Dとかをまず連想するオレのような人間は、もはやブログでテキトーに語るなんて恐れ多い。とはいえ正直作品をしっかり聴き続けていたのはソロ3枚目くらいまでで、それ以降はチェックするくらいになっちゃってたかな。実際このベスト盤もその頃中心の作りだし。ただヒップホップの「アイコン」たる存在になっても「現場」で作品を出し続ける姿にはリスペクト。00年代の仕事も聴き直して見よう。そしてオッサン呼ばわりするようなBoyどもには二言くれてやるぜ!「Duck Down!」。


ってわけで「Duck Down」!。・・・あれ?、もしかしてDuck Down Recordsってここからレーベル名取ったのかな?。だとしたら今回の「Survival Skills」は、Duck Down Recodsの連中にはとても意義深いぞ。あとこの曲の制作、Pal Joeyが懐かしすぎる。Pal Joeyの音色で太いヒップホップサウンドになってて好きな曲です。オレ、もしソロデビューすんならアルバムのプロデュースはPal Joeyに頼みたいな〜。なんだ「オレ、ソロデビュー」って。「Robot」のフック「どいつもこいつもラップしたがり歌いたがりやがる」っつってる矢先に!。


おまけBlack Moon - Alter The Chemistry (2006)

Buckshotと9th Wonderの1枚目「Chemistry」にはDa Beatminerzが丸ごとリミックスした盤が有り。要するに変則的なBlack Moonのアルバムってわけで・・・


それに収録のこの曲Dusty Springfieldネタなんだけど、Saint Etienneの印象が強いんで驚いた。