Dubtech Minimal Witchcraft

Demdike Stare - Symbiosis

今日は読者諸君を恐怖のどん底に陥れてしんぜよう、ヒッヒッヒッヒッヒッヒッ・・・っと、こういう恐怖の館の案内人みたいなキャラってすごく演じたくなるもんですが、案内人たるワタクシも現在「絶賛恐怖のどんボトムに陥れられ中」なのが、本日のピックであるDemdike Stareなるユニットの「Symbiosis」というアルバムです!。Gary HowellとのユニットPendle Covenのアルバムがとても良かったDJ MLZことMiles Whittakerが、今度はロンドンのリイシューレーベルFinders Keepers Recordsの一員だというSean Cantyという人と組んだ新ユニットだそう。リリースもModern Loveかららしく、ある程度音像をイメージしていたところなんとこれ、「オカルト」をテーマにしたプロジェクトということで、単なるミニマルダブテクノならずホラー映画のサントラのような不穏な空気に全編満ち溢れていて、おっかないことこの上ないサウンドにうろたえるやら驚くやらニヤつくやら!。ビートよりもアンビエンス重視でそれこそドローンものと言ってもいいものもあるが、モゴモゴしたビートやダブ処理、そして曲によってはインダストリアルなシンセなどなどがあるんで、単純なアンビエントものとも違う質感。そして恐らくSean Cantyさんのセレクトであろう、中近東の民俗音楽やアフロビート、モンドなファンクといったサンプルネタのループがアヴァンギャルドな怪しさをどんどん増幅してという仕掛けで、もう大変!。iPodで聴きながら夜道を一人歩こうもんなら無事に生きて家まで帰れる気がまったくしない!。文字通り恐るべき、怖えという意味でも恐るべき怪盤。もう一回聴こ!。助けて!。殺され役になってる。恐怖の館の案内人キャラも忘れとる。


〜合わせて聴きたい盤〜

Sun O))) - Monoliths & Dimensions (2009)

Demdike Stareはすごく簡単に言えば「ホラーなベーチャン」。ただ強烈なオカルト&モンド志向がずば抜けて異色。1曲目のタイトルなんて「Suspicious Drone」(笑)。で、ギターサウンドはないんだけど、そんなドローンのサウンドテイストと世界観はこのSun O)))の方になんとなく近い気が。Sun O)))は、どっちかというとオレはあんまし詳しくない「ドローンメタル」なんだけど、「何装束集団だ?」ってな風体でのライヴパフォーマンスと怪しいサウンドには心捉えられているのである。ノイジーでリズムもナシ!、それでいてブルースの影響が垣間見えたりするのは面白いね。しかし、アメリカ南部の田舎道を夜中キャンピングカーで走ってて、道中コイツらの野外ライヴの様子が見えた日にゃアクセル全快で逃げるしかない!。そして「悪魔の追跡」が待ってるんだろうけど・・・やはり無事に生きて家まで帰れる気がまったくしない!。


こんな感じだもんな。スモークとか「自然に出てきた」って言われても信じそうな。


The Gaslamp Killer - All Killer: Finders Keepers Records 1-20 Mixed By The Gaslamp Killer (2009)

Sean CantyさんのいるFinders Keepers Recordsは「怪しいレコードをリイシューしてるレーベル?」くらいの認識だったんで今回調べてみたら、ラインナップ驚愕もんだわ、コレが。モンド&サイケデリックなロック、フォークやジャズのカルトな盤中心で、映画「ウィッカーマン」(もちろん73年のオリジナル版)のサントラに影響を与えたフォークロックを、そのサントラ曲ものともリイシューしたりしてるのね。マニア根性の座りっぷりがハンパない。で、これはもう全部聴いてみたいが既に結構な量のリリースがあるな・・・と思っていたら、レーベルカタログ1番〜20番までのリリースからの曲々を、あのThe Gaslamp Killer様がセレクト、コンパイル、そしてコスリを含めたミックスしたという、とんでもないコンピが出てやがった。モンドでファンキーでこれもスゲえアルバムだな。もう「スゲえ」しか出てこなくて申し訳ない。


試しに1曲。Yamasukiの「この、サモゥラ〜イ!」!。Erykah Baduの「New Amerykah」収録の「The Healer」でMadlib先生がサンプリングしてらっしゃるアノ曲。


Danny Norbury - Light In August (2009)

「Symbiosis」には1曲ゲスト参加曲があったんでこれも誰なのか早速調べてみたら、The Boatsのサポートメンバー(?)でもあるチェリストDanny Norbuaryだった。彼のこの新作はピアノとチェロの雄大で美しい調べが中心のクラシカルなアルバム。これもいいアルバムだ。あとThe Boatsも新作出してるな。

ここまでの流れでこれ聴くと、なんとか生きて帰ってきたという気分。案外、一安心と思いきや実は死後の世界、だったりして!。



・・・やはり何かの呪いなのか、肝心のDemdike Stareの動画は見つからなかったのだった。というわけで怪しカッコいいロゴの画像を。コレやアルバムカヴァーで「絶対ヤバい」と内容の予感はしてたけどね。あと音楽的には何をやってるのかよくわからないSean Cantyさん。調べても「Vynil nuts」みたいな肩書きしか見つかんないときた。まあ実際彼のブログ「Mean Dog Blues」を見ると怪しげな映画のポスター、ビデオパッケージの画像が満載。しかしDemdike StareはDC Recordings、Giallos Flame、Skull Disco以来の衝撃!だが・・・ならば次に登場するのはアイツしかいない!。あ、どうせならハロウィンに投稿すれば良かったかな、今回のネタ。