Oh Yeah!

Yello - Touch

珍妙かつクールな音楽聴き続けて年月を重ね、Warp Records電気Grooveなんかが今年20周年を迎えている事実に「オレもオッサンだな〜」という哀愁に浸っていたら、格の違いを見せ付けられて恥ずかしい、そして嬉しい気分です。80代初期からウィアードでビザーなエレクトロニックミュージックと、ダンディで胡散臭い佇まいの唯我独尊でなんと結成30年!。スイスの国宝Yelloの最新アルバムが00年代が終わる前に出たもんで!。トラック担当Boris Blankさんが六十前。ヴォーカルのDieter Meierさんに至ってはミドル六十ですぞ!。今回のアルバムはこれまでのYelloサウンドを統括的に生音っぽいサウンド主体でジャジーかつ「ムーディー」にやってる様子で、ベテランロックバンドが若い頃のアグレッシヴな曲を渋いアレンジで聴かせる、みたいな印象に近いかも。もちろんクラブミュージックっぽいリズム感や、女性Voをフィーチャーした映画の主題歌のような曲、そしてデビュー当時からの一貫してる怪しい雰囲気などは当然で、ミニマルテクノっぽい曲をさらっとやってると思ったら渋いサックスなぞを絡めてジャジーに仕上げたり、名曲「Bostich」のミニマルエレクトロって感じの再演があったり。「守り」な感じは全然ないんだな。ん〜、こりゃ正直オレもまだまだヒヨッコだ、ピィー!。それ以前にアホ!。




〜合わせて聴きたい盤〜
・・・は動画でサラッとYelloの歴史を振り返ってみます。

Yello - Bostich (1980)


1970年代終わり、スイスにてにBoris BlankとCarlos Perónの2人で結成されたYello。シンガーのDieter Meierを向かえるが、程なくPerónが脱退してデュオに。シンセポップ、ニューウェーヴからディスコ、ラップ、ロック、ラテンミュージックなども含む、どこにもないYelloサウンドはデビュー当時にあっさり確立してる。この代表曲「Bostich」はエレクトロまで入ってるけど初出は1980年!。ほぼ30年前にこれとは!。ちなみにこのビデオで作業帽がまったく似合わないDieter Meierさんは、実はスイスの億万長者で実業家でプロのポーカープレイヤーでアーティストでもあるというとんでもない方。バカンスを利用して音楽制作をすると聞いたことあるけど、スゲ〜。この人からすりゃマリエなんてジャリ銭漁りだな、あんなもん。


Yello - Oh Yeah (1985)


Yelloは知らなくてもこの曲は聴いたことあるって人いるのでは?。実際オレもオンタイムで聴いたのはこの曲で、コレ以前はさかのぼって聴いたんだが。とにかくたまたまテレビで見て「これはいったいなんなんだ?」という感想だった。「Yellowじゃねえの?」とか。怪しいライティングでヒゲのおっさん2人が低い声で「オ〜イエ〜」だもん、正直最初怖かったって。思い出の曲と言うよりトラウマに近いかもしれません。Yelloにしてみれば一つのスタイルを確立した曲で、こういう感じにラップぽいヴォーカル、ってのが基本の一つになる。Ohhhhh Yeahhhhhhh!。あと「顔」!。


Yello - The Race (1988)


・・・そんなスタイルで生まれた、やはり代表曲のひとつ。レースドライヴァーの心情を歌う、ってのもミリオネアならではの視点と思ったが、どうも「レースの妄想に取り付かれた」イカレた男のマインドっぽいのが深く、そしてイイ。それで曲はYelloの中では分かりやすいカッコよさで。ビデオは基本毎回怪しいライティングとか映像センス全部一緒だけど、そんなビデオの監督はDieter Meierさん。ビデオ監督って肩書きもあったか。ビデオに出てくるヒゲつけた子供カワイイ。


Yello - Do It (1994)


1990年代、テクノ、クラブミュージックが盛り上がった年代も当然活動していたYello。95年にはCral Craig、The Orb、Jam & Spoon、Westbamといった、Yelloに影響を受けたであろう連中によるリミックス盤も出たが、そちらは全体的には若干トランスよりで、その後Yello自体もアルバムでややトランスを取り入れてたり。悪くはないが、90年代はこの人たち結構一番「普通」だったのかも。


Yello - Planet Dada (2003)


00年代も当たり前のように活動!。最近クラブミュージック系のアーティストが物凄いブランクを経てアルバムを出すことが多いけど、それを考えたら頻繁とは言えないまでも適度なペースで出し続けてるのはすごい。そして00年代後半の音楽界は、過去の音楽に対する「俯瞰視点」が広くなった感があるが、最新作を含め00年代のこの人たちの作品もそういうおもしろさがあると思う。いまだにこんなカッコいい曲出てくるもんな。まあ諸々含めて絶対常人のペースとは違う生き方してる感じはするけど。


おまけYello - Angel No (1984)


1984年のアルバム「Stella」収録。すんごくカッケーこの曲、当事日本のCMで使われてたのだ!。あの頃はCMでDavid ByrneAndy Warholとか普通に出てたのよ。今のCMなんか見る訳がない。Youtubeありゃ地デジなんて無用!。



・・・サスガに30年の歴史がある人たちなんで、今回はオレの「Yello体験」なリスニング歴中心ってことで。もうちょっと違うタイプの曲の動画や、「Live At The Roxy」とか貼りたかったし、「Lost Again」のビデオもカッコよかったし・・・キリないな。しかしKraftwerkがテクノ、エレクトロニックミュージックの「祖父」なら、このYelloはさしずめ「怪しい叔父さん」?。こちらは初期アルバムの昨年リマスター盤が昨年リリース済みでした!。