Bug In The Bass Bin

King Midas Sound - Waiting For You / VA - 5: Five Years Of Hyperdub

ハイパーダブ!(カタカナで)。これはもう「決定!」だ!。何が、とかじゃなくまず頭に「決定!」の印がドカンときた感じ。「Box Of Dub」やHyperdub5周年記念コンピ(の1曲目!)なんかに収録されてた、我らがバグ親父Kevin "The Bug" Martinと謎のポエット&シンガーRoger Robinsonが組んだKing Midas Sound堂々のデビュー盤!。ダブ&ダブステップ関連がますます熱い今年に間に合ったってのも嬉しいです!。霧の向こう側の景色を描くようなサウンドとその上を漂うウィスパーヴォイスのヴォーカル、これらだけでも場の空気を一瞬で変えるような世界なのに加え、ベースの響き具合とビートのズ太さがマッシヴな「バグ印」なのがタマランよ。ビートのヴァリエーションはあまりつけずに、ゆったり「ズシン」とくるもの中心なとこが良くて、ベテランならではの仕事ですねえ。音楽ファンは大分年間ベストのことに気が行きがちな時期だが、ベスト級まだガンガン出るから注意深く大晦日まで耳を傾け続けといたほうがいいな、こりゃ。あとこればっかり言ってるかもしれないが・・・インスト盤も聴きたい!。「ダブ」盤、もしくは「ヴァージョン」盤ね。



Techno Animal - Brotherhood Of Bomb (2001)

King Midas Soundのビート感はKevin Martinの過去の仕事ならこのアルバムの方がThe Bugより近いかな。音色はインダストリアルで太いドスンドスンとしたビートにダブなグルーヴ。King Midas Soundはここからインダストリアルな質感を抜き取って、さらに進化させた音と言っていい。


Roger Robinson - Illclectica

「謎の・・・」なんつってるけどRoger Robinsonさんは2005年にソロアルバム出してる。これはジャズファンク入ったヒップホップっぽいサウンド中心で、ヴォーカルはほぼポエトリーリーディングスタイル。Sa-RaとかRich Medinaあたりに近いカッコ良さ。で、1曲目などトラックもダブポエットでKing Midas Soundに通じるものがあるが、「Waiting For You」での囁きヴォーカルスタイルはもしかしたら「苦手」っていう人いるかも。逆にKing Midas Soundでも数曲リーディングのものがあるが、そっちは文句無く渋い。



・・・音的にはMassive AttackPortisheadとかの系譜で語れるKing Midas Soundだけど、ビートの太さが近年のその辺りの連中より遠慮ないのが肝。ダブステップなリズムのタメもあるが、リズム感はOn-U辺りの少し前っぽい感じが逆に美しいと感じました。1曲目「Blue」のベースが入ってくる瞬間!。あとはもうずっと部屋がビリビリいうもんで、こちとらもずっとニヤニヤ面。