The Man With The Mask

Redshape - The Dance Paradox / VA - Delsin 2.0 / Samuel L. Session - The Man With The Case

赤き仮面のテクノマシーンRedshape、ようやくデビューアルバムで遂にその全貌を現したのか?!。いや、やっぱり不思議な奴だ!(マスク脱いだわけじゃないし)。ざっくり言うとデトロイトテクノに影響を受けたサウンドではあるものの、一概にオーセンティックなそれや、「ミニマル」「デトロイトハウス」と言えるものでもなく、「ハードテクノ」というとまたちょっと違う。ただ、そういった全ての要素は感じられる、新しいオールドスクールなディープテクノと言うところ?。ロウでアナログでダークな徹底した世界観、これがまあカッコいいんです。そんな本作、あのオランダのDelsinからで、Delsinと言えば前回から7年ぶりのレーベルコンピ第2弾も今年嬉しいリリースだったね。デトロイトサウンドハイハット気持ちいいテックなリズムで展開するテクノ、と言う意味でもハイテックでハイクオリティなサウンドのレーベル。・・・なんか「ハイハイテクテク」言ってっけど、コンピなのに音の方向性と統一感が素晴らしく、ヘタなミックスアルバムより流れがあるように感じられる。あの「Misc Usage」収録のRedshapeも何故か違和感ないのが不思議。で、このDelsinのコンピに通じる音だったのでちょっと驚いたのが、JacksonじゃなくてSession、「テクノ界のサミュL」ことSamuel L. Sessionの1stアルバム。ビートは「一辺倒」ってくらい同じような音色&リズムだが、その上で思う存分「デトロイト」してますよ。この人トライバルなテイストってイメージ持ってたんで、アルバム聴いたとき、「なんだお前もやっぱデトロイト好きか!」と言いたくなった。肩バンバン叩いたりする感じで。



↑Chyemraアルバムまだかな。



〜合わせて聴きたい盤〜

VA - Day By Day: Delsin Compilation (2002)

とにかく語られるときに「優良」「高品質」という言葉が出てくるレーベル。Dimension 5、Aardvarck、Future Beat Allianceなどなど、デトロイト・インフルエンスドなスター揃いのコンピ第一弾。Optic Nerveも入っているが、今どうしてる?。


James Pennington Presents Dark Energy - Collided Energy (2007)

Redshape聴いてたらすごく聴きたくなったのは・・・James Pennington AKA The Suburban Knight!。デトロイトテクノのアーティストでは一番好き。このアルバムは00年代「ベストコレクションアルバム」の一つですね。Redshapeには彼の持つ「ダークなエナジー」を確実に感じられる。「ダークエナジー」ってジャンル名にしてみたら?、と思ったが、それじゃなんだか「ハイエナジー」みたいだな。


Slam - Headstates (1996)

Samuel L.のアルバムが出ると知ったとき、「トライバルなテクノ特集だ!」と真っ先にSlamのことを思い出したが、最前に言った通りそこまでトライバルじゃなかった。で、一応Slamの1st聴き直したらこちらも全然デトロイトな音でしたね!。あとSlamが好きという人はモノホンのテクノ好きという印象がある。



・・・Demdike StareやThe Kilimanjaro Darkjazz Ensembleなんかも「ダークなエネジー」感じます。続けて聴いても違和感ないが、この辺りとDelsinのカラーはやや違うような。どっちにも通じるRedshapeって、その辺りも不思議。あとまあRedshapeに関しては、MF DoomSlipknot、果ては初期The Art Of Noiseに至るまで「仮面を被ってカッコいい音楽やる連中に弱い」という自分の子供っぽいシュミを差っ引いて書きましたのでそれを考慮に加えたら・・・もう大スキ!ってことです!。