Ras Kass & DJ Rhettmatic - A.D.I.D.A.S.

連想ゲームなら「ウェストコースト」「リリシスト」の二つだけで名前が出てきそう!。「Water Proof MC」ことRas Kassのニューアルバムは全26曲でCDだと2枚組。とにかくトラックの作風がバラッバラで、シンセビリビリのものもあればサンプル主体のものもあり。ゲストも多数でかなり「ヴォリューム」というものに着目してるようです、意図的に。わざわざRhettmaticとの連名で出してるとこを見てもそうだね(Rhettmaticが作ったトラック数曲しかない)。ビートの「イマイチっぷり」が凄い(それも駄目とかダサいではなくホント「イマイチ」って感じ)のタイトルトラックや、「Say, Say, Say」サンプリングしたディスコっぽいものまであったりする一方、意外と今っぽい音でカッコいいものもあったりするし。なんで2枚組のアルバムについて言いがちな「良い曲だけ集めて1枚にした方がいいんじゃないの?」ってのは無しにして「イロイロいっぱい!」を楽しむというのが良い聴き方だと思います。言うまでもなくラップ「力」は相変わらずサスガのもん。1曲目で早速「My favourite rappers are already dead!」みたいに「はっ」とするフレーズ出てくるんだもんな〜。


So what so what so what's the scenario!?



もう一発!。あの名作のパート2!。



〜If you like this title, I also recommend...〜


Ras Kass - Van Gough (2001 *Unreleased) / Ras Kass - Goldyn Chyld (2002 *Unreleased)

Ras Kassは1996年のデビュー盤がいきなり「西から昇ったリリシスト」ぶりを知らしめる名作で、続くセカンドはDreとMack 10を迎えたシングルを生んで1stを超えるヒット。しかし続く2枚のアルバムがなんと立て続けに未発売になっちゃったという、ある種ここにもいた不運のラッパーだったんである。オクラの原因はレーベルの事情に本人の警察沙汰事情も重なったからのようだが、これがちょうど2000年に入った頃の出来事。言うまでも無くこの頃っつったらヒップホップも色々変わってきてる時で、タイミングも良くなかったような。もしこの2作が出ていたら「Ras西のNas!」ってな位に00年代活躍してたイメージ残ってたかも、かな?。00年代後半はミックステープも含めて何作かアルバム出してるが、「A.D.I.D.A.S.」はその辺の近作の中ではベスト作だと思う。しかし「Van Gogh」なんてアメリカのラッパーがゴッホをイメージしたアルバム作るってのが面白いな、ってレベルで楽しみにしてたんだけど・・・実はインターネットというものがあれば現在この2作を聴くのは容易。っつうかアンリリースなんでネットで聴くしかねえよって?。どうやら当時音源が流出したこともオクラの要因の一つでもあったらしいですよ。・・・こんな皮肉があろうか!。


Primo先生のビートをアンリリースなんて!。・・・シングルは出てたか。


「Van Gogh」にはDr. Dreのビートによる「Goldyn Chyld」入ってます。どっちかをどっちかにするみたいな話だったと思うが、アルバム名含めてややこしい。いずれにせよ「A.D.I.D.A.S.」の「Goldyn Chyld」は「II」。