VA - Wu-Tang: Legendary Weapons


Wu-Tangのニューアルバム?!、と色めきたったのは実は一瞬。おととしリリースの変則的なコンピ「Chamber Music」の経験もあってアルバムカヴァーの表記が「Wu-Tang Clan」ではないのに気がついとるんだわ。Wu-Tang Clanの正式な新作ではないことにコレ。しかし製作総指揮RZA、トラックはThe Revelationsによるバンド演奏で、Wu-Tangの面子&下部メンバー+NY出身のゲストを迎えたラッパー陣参戦・・・という構成は正しく「Chamber Music」の続編というかシリーズ第二段と言える内容で、リスニング優先順位の高めな興味深い作品なんである。いや前作よりサンプリングネタのカンフー度合いが増え、初期Wu-Tangサウンドをラフネス損なうことなくまろやかマイルドに変換したトラックもコクと深み増量の風味満点でさらに美味しくなりました!な逸品に仕上がっとる。前回参加してなかった中で注目どころなSean PとRoc Marciano、Termanologyら含めラッパーたちのセレクトと個々の仕事ぶりも手ごたえしっかり。そこで唯一残念なとこはそのラッパーたちのフィーチャリング度合いというか配置具合で、Wu-Tangで言えばGhostface4曲で他の面子1〜2曲のGZAとMasta Killaは不参加だとか、1曲でAZとM.O.P.を迎えたものがあるかと思えばKilla Sinだけフィーチャーってのがあったりと、さじ加減若干良くない(Killa Sin好きですけど)。アルバム自体のヴォリュームも少なめでそれなんで「雑なコンピ」という印象も感じて、そこだけ惜しいとこ。Wu-TangとThe Revelationsがガッチリ四つに組んだコラボアルバムっての聴いてみたい、ってなポジティヴな欲求もちょっと出た。ただ以前「Ghostfaceみたい」って取り上げたラッパーAction BronsonがそのGhostfaceと同じ曲にフィーチャーされてる大胆なオモシロは相当ウけたことよ。
Ghostface Killah - Meteor Hammer (feat. Action Bronson & Termanology)

ご本人登場。