One Be Lo - LABOR (Language Arts Based on Reality)


アイム・ヒズ・ファン!。ぼく、この人のファンです。デトロイトが生んだ輝く連星Binary Starの片割れOne Man ArmyことOne Be Loのね!。アメリカの労働記念日にリリースされた最新作のタイトルは「Language Arts Based On Reality」の略で「LABOR」。ライミングやフロウの鮮やかさに加え、武器と言っていい言葉遊び、言葉運びも絶好調だ。さらに本作はほとんどの曲のタイトルに生物の名前がついていて、それらが曲のテーマや様々なメタファーになっているという、アルバムとしてコンセプチュアルでディープな作り。もちろん言葉使いの巧みさは「語感、聴いてて気持ち良い」ってレベルでも十分堪能できる。音楽的にはOne Be Loが率いるバンド、DL7(メンバー全員女性!)を大きくフィーチャーしていて生音要素が増えているが、ブーンバップなアンダーグラウンドヒップホップなビート感は失なってない。ワン・マン・アーミーとは一騎当千に値するMCと知るべし。そんなラッパーの中のラッパーの、文字通り労力が注がれた逸品。GREAT!...え〜っとGood Rhymes Emanating Artistic Talentでグレート!なんてね。難しいな。
One Be Lo "LABOR" Promo

See me lookin' like Atlas, when he handle the globe... / I see you lookin' like Alice, Wonderland is your home / It makes me wonder if you practice your flow... / Or it must be a practical joke...
アルバム収録曲「Dragon Slayer」をアカペラでキック。 文末の踏韻はもちろん、Atlas→Alice, Wonderland→Wonder, Practice→Practical...この一連の流れ!。



One Be Lo - The Pigs (feat. Mike Posner)

当初別のアルバムのため製作されたこれも収録。フィーチャリングMike Posner!。



〜If you like this title, I also recommend...〜

One Be Lo - Laborhood Part 1 & Part 2 (2011)


「LABOR」に先駆けてリリースされたミックステープ。未発表曲や過去曲なども含めて色々入ってるんで曲調バラバラだが1曲1曲はとても良いもの多い。けっこうキャッチーな曲あったり。また、One Be Loってデトロイトローカルで近しい仲間との仕事が多いんだが、コレにはVerbal Kent、El Da Sensei、Black Milk、Proofなんかとやってる曲もある。


Binary Star - Masters Of The Universe (2000)

 
One Man ArmyとSenim SillaでBinary Star!。超低予算で製作されラップは全て一発録り!というラフさは、2000年の段階で90年代初期のような音の質感(正確には1999年に「Waterworld」というタイトルで限定リリースしたアルバムをアレンジ&リミックスした新調盤ですが)。2人のケミストリーも素晴らしい。00年代これに匹敵するアルバムはMadvillainくらいっても言いすぎじゃない程好きだ。Elzhiも参加しているよ。
Binary Star - Conquistadors

Chuck Mangione使いで「やってやるぜ!」って気分あがること。


Binary Star - Reality Check @ Paid Dues 2011 (Live)

一度正式に解散したBinary Starだが、今年Paid Duesフェスで再結成ライヴやっとるがな!。これは!。


One Be Lo - S.O.N.O.G.R.A.M.


Binary Starとしてはアルバム一作だけでソロ活動に移行したOne Man Army改めOne Be Lo。新作を含めオリジナルアルバムは4作。特に2005年の本作は傑作だが、「LABOR」もそれくらい良いと思いマス。
One Be Lo - Decepticons

変わるものもあれば変わらないものもある、って話を「トランスフォーマー」ネタで語るこのアイデアPete Rockのリミックスも有り。


One Be Lo - The Future

ヴァース1:過去を見直し、ヴァース2:今を生き、ヴァース3:未来に思考を巡らせる。占いとかじゃないぜ、ってとこ最高。美しい曲だ。


おまけOne Be Lo - Rocketship (feat Five Seasons & Lemongrass)


「S.O.N.O.G.R.A.M.」収録曲のトラックをFive Seasonsの「Love Apple (Lemongrass Wet Dreams Remix)」と勝手に入れ替えたリミックス(Evan Awakeって奴がやった模様)。One Be Loの作風とはちょっと違う雰囲気だけど、これも良いのでのっけました。ビデオはさらにグラフィティやってる奴がこの曲を勝手に使ったものらしい。