The Away Team - Scars & Stripes


ノースカロライナLittle Brother一派、Hall Of Justusの一員であるグループThe A-TeamならぬThe Away Team。ニューアルバムである3作目はトラックメイカーのKhrysis、MCのSean Boogそれぞれの成長の後が伺える会心の一作。Khrysisのトラックは所謂90sヒップホップ的スタイル自体の完成度に加え、サンプリングセンス、音配置、ビートの打ち方などに必ず加える一工夫、一捻りに更なる冴えがあってとてもグッド。9th Wonderの弟分っぽい、なんてイメージも改めたいとこ。特にMarvinを大胆にサンプリングした先行カット「The Road To Redemption」が驚きの出来具合で、ちょっとやりすぎ位の情感とそれをドラマティックに盛り上げるビートのパターンは純粋に驚いた。Boogはカリスマティックな天才MCタイプでもバカテクを誇る実力派タイプでもない「味」で勝負のラッパーだと思うが、それで言えば声&フロウに風味が出てると思う。まあKweliやPhonte、Evidenceみたいな大物ゲストが出てくると脇役っぽくなるし、The Away Team自体もシーンを引っくり返すような存在じゃないかもしんないが、「結構やるね!」って感じ凄く買いたい。隠れた逸品感ありあり。
The Away Team - The Road To Redemption

「ネタ使い」っぷりの凄さでは今年のヒップホップ界トップクラスの曲じゃないかい!。



The Away Team - Set It Off (feat. Talib Kweli & Rapsody)

これまた不思議なリズムパターン。



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The Away Team & Nervous Reck - The Warm Up (2009)


The Away Teamは2005年アルバムデビューで新作は3作目。だが、最初の2作の間2006年には結局お蔵になっちゃったNervous Reckとのコラボアルバムを完成させている。2009年にフリーダウンロードで日の目をみたこれも良い出来で、なんとJ. Coleが参加してたりするんだな。


Big Remo - Entrapment (2010)


「Scars & Stripes」のゲストの多くは9th Wonderの「The Wonder Years」にも参加していた新手のラッパーが中心。Justus League関連てSkyzoo、Splash、Cesar Comanche、Edgar Allen Floe、L.E.G.A.C.Y.、Median、Chaundon、Joe Scudda、Darien Brockington、Yahzarah等など既に相当数のタレントがアルバム(ミックステープ)出してるが、まだタマあんのかいなと驚かされる。「Scars & Stripes」にも参加してるBig Remoも昨年アルバムデビュー済みだが、コレに限らずほとんどのトラックを9thとKhrysisが作ってるのも呆れるほど感心するな。
Big Remo - What It Takes

9th Wonder presents...」だけどKhrysisも2曲製作。