Selected Remix Albums 2011


そろそろ2011年本チャンのベストリストに着手したらんかいや、という時期になってきたのを感じつつ、ワンモアまとめシリーズはリミックスアルバム編。「同じ曲なのに何種類もあるのがおもしろい」というのは実は自分が音楽聴きはじめたキッカケの一つでもあったりするもんで、リミックスには思い入れ深いのだ。参加面子によっては新しいアーティストを知るコンピにもなるしね。アルバムとして楽しめるものも多い全10作プラスおまけで。

10. Dub Pistols - Rehash


Dub Pistolsのリミックスアルバムは2ndアルバム以降から選抜した曲をリミックス。いかにもダブステはいいとして、エレクトロハウスなリミックスはちょっと有難くない。この人たちらしい中庸さや、ポップというのともまた違う軽さがリミックスやセレクトにも出てるとこあるかもしんないけど。Wrong Tomなんかはバッチリ。


9. Cloaks - Versions Grain


2009年「Versus Grain」のリミックス盤。あんまり聞いたことないリミキサーが多いが、全曲ノイジーでインダストリアルなステップ、音色やリズムパターンまで統一されてるような作りというか要するに全曲同じような感じでちょっと驚き。リミックスアルバムでここまでのは珍しい。で、Planet Muから2009年にアルバム出したLegion Of Twoが参加してるのが凄く嬉しかった。大好きだけど、恐らくそれ以降ロクに活動してなかったっぽいんでコレで思い出した...んではありますが。


8. London Elektricity - Yikes! Remixes!!


全10曲ほぼHospitalやMed Schoolのアーティスト参加で、Hospitalのコンピレーションとしても良いアルバム。ダイナミックで王道ホスピタルなドラムンベース中心で、オリジナルよりエレクトロニックなシンセ強調したものが増えてる。貼っつけたアルバムプレビュー動画が便利。


7. Jahcoozi - Nearly Naked: Barefoot Wanderer (Remixes)


2010年のアルバム「Barefoot Wandere」のリミックスアルバム。原曲は8曲で曲によっては数ヴァージョンあるという構成で全17曲。グルーヴ、ビートとベースの増量バッチリ。Ramadanman、LV、Milaneseなどオリジナルより好みだったりする。


6. Paul White - Rapping With Paul White: The Remix EP


2011年のヒップホップアルバムの良盤を思い出すときに忘れ難い一品であろうPaul Whiteの「一緒にラッピン」アルバムのリミックスEP。といっても全12曲、リミックスとアルバム未収録曲のインスト各6曲づつで全曲Paul White自身のプロダクションという、物量も気合もかなり入ってる。リミックスは全体的にエレクトロニック&アブストラクト化してる傾向。


5. Amon Tobin - Chaos Theory Remix: Splinter Cell 3D


Amon Tobinのディスコグラフィーの中でも異色で印象的な2005年リリースのゲーム「スプリンターセル:カオスセオリー」のサントラをリミックスしたアルバム。リミキサーはNinja Tune関係者中心で、一組2ヴァージョンづつくらい担当してる。Ninjaは一昨年の20周年記念コンピ盤が「大リミックス祭」りだったんで、面子的には少し押さえ気味にしたのかな。The Qemistsが普段と違う音色で曲作りしてる感じで新鮮。できれば昨年リリースでそれこそもっと異色な意欲盤だった「Isam」のリミックスアルバムを聴いてみたいところ。


4. eLan - Next 2 Last (Disc 2: Next 2 Last Remixes)


Modeselektorのレーベル50 Weaponsから登場な期待のニューカマー、eLanのデビューアルバム。2枚組みでオリジナルアルバムプラス2枚目がそのリミックスアルバムという仕様。ボーナスと言うには豪華な内容で、Anstam、Cosmin TRG、勿論レーベルのドンも含めモードセレクションな顔ぶれ。結構オリジナルの音色重視してるというか、みんなビートやベースが極太でシンセきらめき、という風。


3. Radiohead - TKOL RMX 1 2 3 4 5 6 7


「The King Of Limbs」のリミックスシングルシリーズをまとめたアルバム。全19曲で全18組のリミキサー参加(Mark Pritchardが本人名義とHarmonic 313名義で参加してるんで)なこれまた豪華版。しかもFour Tet、SBTRKT、Jamie XX、Modeselektor、Lone、Pearson Sound (Ramadanman)などなど、今しっかりしたリミックスアルバム作るんならこの面子で間違いない、というセレクト。エレクトロニック&ビートミュージックのコンピレーションアルバムとして聴いても凄く良いな。ヴォーカル残ってるミックス結構あるし。重たいリズムでアシッド&エレクトロなObjekt Remixが一番のお気に入り。ちなみにコレの後「TKOL RMX 8」が出てる。


2. King Midas Sound - Without You


セレクト&顔ぶれという点ではRadioheadと双璧だが、それにプラスしてオリジナルとの関係性を考えたらリミックスアルバムとしてもっと優れてると思うのが、King Midas Sound2009年のジェム「Waiting For You」のリミックス盤。特にScritti PolittiのGreenが新たにヴォーカルを「リヴォイス」したヴァージョンには「へ〜〜〜〜〜〜」と感嘆しきりだった。KMSのソフトなヴォーカルっぷりや、Scritti Polittiのダブレゲエからの影響とか、そういった色々が繋がった感じで。


1. Lee "Scratch" Perry - Nu Sound & Version


ラガダブ聖人Lee Perry様がOn-U Soundからリリースしたアルバムの曲をリミックスしたものを集めたアルバムで、ON-U Soundアルバムリリース30周年記念も兼ねてるダビーな徳の深い一作。大きく分けてラガビート、ジャングル、ダブステップのどれか。で、ダブステならDigital Mysticz、Kode 9やHorsepower Production、ジャングルならCongo Nattyなどジャンルごとにラガ魂溢れるへヴィーな重鎮を選んでるあたりも良いセレクト。やはり注目はかつて90年代にThe KLF関連で暗躍し、数年前に活動再開したThe Moody Boyz!。ダブステとラガビートなやつ2種どっちもディープ。御大Adrianのリミックスも嬉しい。


おまけVA - Rusko Remix Collection 2006-2010


上記10作は全てリミックス「された」視点でのアルバム。反対にリミックス「した」、つまり色んなアーティストの曲を同じリミキサーが手掛けたものを集めたアルバムはちょっと少なかった。しかし、年の瀬にMad DescentがフリーでRuskoのリミックスコレクションをプレゼントしてくれたよ!。ゲーム「バイオニック・コマンドー」のテーマも入ってる。