yU - The Earn


さて、2011年の年間マイベストを発表したんで次は2012年のアルバム・オブ・オブ・ジ・イヤーの話かな。我ながら話早ぇのねえ!。フロム・ワシントンDC、Diamond DistrictのメンバーでもあるMC、yUの2ndアルバムは昨年末リリースだったものの、じっくり聴き込んで今年のベストリストに入れることにしたほどの、これが逸品だったんだな。ほとんどの曲のフックがヴォーカルワークによる「コーラス」になってて、ロウなヒップホップなまま前作にもあったノスタルジックなニュークラシックソウル、ネオソウルな風味と音楽性が増してるトラックの味わい深さにハマって、いつのまにか年越してたよ!って勢い。アルバムタイトルは大胆にも「メイキン・マネ〜!」なヒップホップにゃお馴染みなテーマそのもの。しかし歌詞の内容は、生きるためや養うために「稼ぐ」ということから人生や家族のことを語るディープな内容。もちろんラッパーがやるべきことの一つ「カッコよくカッコつける」というのも良く出来てて、プロップスを「稼ぐ」というベーシックなヒップホップの魅力も十分。トラックに対するラップと詩のフィット感も上々。Oddiseeを例に挙げるまでも無くDiamond District周辺の連中って総じて作品の質が高いが、そんな中でも一段階上に感じられるハイヤーレベルにいたく感嘆した次第。名前の表記通りに右肩上がりな気分だな〜。
yU - Time Machine / Remember U (feat. Bilal Salaam & Danedra Rowell)

古いフォトアルバムの写真を1枚づつ手にとって両親に思いを巡らせる姿が容易に浮かぶ、センチメンタルで美しい名曲。


yU - Write On (feat. Imani Bilal & King Tut)


フックは無いけどこのトラックの音楽性の豊かさ!。二番目のヴァースでフィメールラッパーImani Bilalの声が聞こえてきて「おっ」と思った瞬間にピアノが流れ込んでくるとことか素晴らしい。キープ・ライト・オン!。


yU - Blind


視覚的に盲目の人物を演じて「物事の本質を捉える事」を語る、まるで心眼の世界。Kev Brownのトラックがまた渋い。あと「Blind to the fact」って今の日本の状況そのものだと思う。



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yU - Before Taxes (2010)


2010年のソロデビューアルバムはやっぱり面白いアルバムタイトルのセンス=アルバムのテーマ、あんまり舌が回ってない感じ?(もしくは歯閉じたまま喋ってるみたい?)な独自の発声が逆にカッコいいラップ、そして参加トラックメイカー陣も基本的に一緒(こちらは本人製作曲が多いが)で、品質も音の感触も2ndはこれの延長線上にある。のでコレ聴いてたら2ndの良さは当然と思っていい。と言うのも本作、実はちゃんと聴いてなくて今回2ndと合わせて聴いたのだ!。リリースされてたのは知ってたし、OddiseeやDiamond Districtは大好きなのにキチンとチェックしてなかったのは完全な落ち度。カッコイイ曲の存在を見逃す(聴き逃す)ことほど今怖いことない。
yU Before Taxes Fat Beats Instore NYC