Matana Roberts - Coin Coin Chapter One: Gens De Culeur Libres


2012年も既に一ヶ月近く経っちゃったものの、まだそんなに今年のアルバムは出てないんで、しばらくは去年のアルバムで取り上げてなかったものを何作か行ってみようか。特にジャンル的に、ということで今日はジャズ!。相変わらず現行のジャズシーンに関しては明るくないが、これはとても気になる女性サクソフォニストMatana Robertsの「Coin Coin」という不思議なタイトルのアルバムを。Tv On The RadioGodspeed You! Black Emperorなんかのアルバムにも参加してる人らしいが、本作はアフロ・アメリカンなルーツを探るテーマをアヴァンギャルドな演奏で描く壮大なスケールの一作で、単にサックス奏者ってだけでなく総合的にアーティストとして素晴らしい存在であることを認識させるには十分な仕上がり。シアトリカルと言ってもいいコンポジション、大胆な曲展開、チャントやポエトリーリーディングからなにやら怪しい唸り声や叫びなど独特なヴォーカルワークもあったりする、多彩な構成も見事。混沌と秩序を共存させて紡ぎ出す美、コンセプトとそれに立ち向かう姿勢などArchie Sheppの「Attica Blues」なんか思い起こさせるほどで。ちなみにタイトル「チャプターワン」っつってるけど、全何章で構成されてるかというのと、これから全部作品化されるかどうかはちょっと不明。全部で12章って記述も見かけたんだが、一個だけで聴いた後の疲労感は相当なんすけど。あとこれ知ったキッカケは、アルバムカヴァー見てヒップホップのアルバムかな?と思ったからってのはナイショで。



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