Quakers - Quakers


PortisheadのGeoff Barrowによるヒップホップユニットって時点でニュースバリューが高いQuakers、聴いてみたらStones Throwからのリリースが違和感無いヒップホップぶりで感心したよ。トリップホップっぽさはなく、オルタネイティヴ・ヒップホップと言えるような作品でもないし、音の素材選びや切り貼りとそのループ間隔も含め、あれlibの何KondactaやそれDillaなんかからの素直な影響も大変良し。それにプラスして、曲で言うと「The Lo」 (05)、「Russia With Love」 (06)、「Mummy」 (11)、「Rip」 (12)、「Dark City Lights」 (18)、「The Beginning」 (19)、「Kreem」 (20)、「You're Gonna Be Sorry」 (37)辺りのアナログシンセ音をフィーチャーした曲群がオリジナリティ豊かかつカッコイイ。30人を超えるゲストラッパーはStones Throw界隈中心に渋めの実力者揃いだし。Portisheadってことで言えば音のパーツごとのあちこちにそんなとこ思わせる感触はある、が、Portisheadの持つ強烈な哀愁、悲哀、耽美性なんかはほとんど無し。そこいらの音楽性はBarrowが2009年にやってたBeakってソロプロジェクトの方で出てたんで、今回はヒップホップ要素の方を抽出したってことなんだろうな。そんな「ヒップホップ」ってPortisheadにとって重要な要素とは言え、「Portishead好きだけどヒップホップはそれほど聴きません」って人いるのは分かる。で、そういう人はQuakers聴かなくていいでしょう。それ位のヒップホップ度合いってこと!。
Quakers - The Beginning (feat. Coin Locker Kid)

しいて言えばこれなんかPortisheadっぽいか?。


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Katalyst - Deep Impressions (2011)


QuakersはGeoff Barrowのソロユニットではなく、彼と7stu7ことStuart MathewsとDJ Katalystの3人によるトリオなんだとか。7stu7は裏方さんっぽい人なんで、キーパーソンと言えるのがこのKatalyst。BarrowとStephanie McKayのアルバムで仕事してたり、あのSpacekとSpace Invadasやってたり、音楽的にはヒップホップをベースにソウル、ファンクまで幅広く、程よい軽さが魅力。BBEから去年出てたアルバムはロックやニューウェーヴみたいな曲までバラエティ豊かとうかはっちゃけてるというか。ただQuakersはヒップホップという土台の上でこの男の触れ幅が間違いなく出てる。
Katalyst - The Popcorns (feat. Bootie Brown & Steve Spacek)


Diverse - One A.M. (2003)


Quakersの聴き所の一つ、「有名無名チャーハンうめえ(故広川太一郎氏のパンチライン)」なゲストラッパー陣。Stones Throw関連以外ではFinale、General Steele、Prince Po辺りがシブい。しかし一番たまげたのがDiverse!。シカゴ出身でChocolate Industriesからアルバム1枚出したっきりだったあやつね。ヘタすりゃ作品のリリース間隔長いPortisheadより懐かしい!。もうラッパーやってないと思ってたんで嬉しかった(実は2007年のKatalystのアルバムにもフィーチャーされてはいたらしい)。ほぼ10年前の作品ということになる「One A.M.」は、MadlibRJD2、Prefuseなんかがやってるどっちかと言うとクリーンでスッキリしてるのにドープなトラック群と主役の説得力たっぷりなフロウがイカス、00年代アンダーグラウンドヒップホップのヒドゥン・ジェム
Diverse - Explosive (feat. RJD2 & Lyrics Born)


The Invisible Pair Of Hands - Disparation (1997)


Quakersのニュース聞いた時パッと思い出したのがコレ。Portishead界隈の連中がやってると聞いてたんで変名プロジェクト位に思ってたが、当時PortisheadのべーシストだったJim Barrと、Moonflowersのメンバーによるユニットのよう。音はこれまた懐かしいCup Of Tea Recordsらしいトリップホップで、全体的にはPortisheadっぽいアンニュイさ加減+シャレオツな雰囲気。アルバムカバーのアートワーク程怖くはない。
The Invisible Pair of Hands - Oil Oil Oil