Essential Drum N Bass Albums 2012 (So Far)!


7月ももうじき終わりでこれからぐんぐん暑くなるという天気予報を聞いてげんなり中、っつうかもう十分暑いし...。が、こいつを忘れたわけではない!。上半期まとめネタね!。今年はブログ更新がぬるくなっていたので、取り上げたいと思ってたアルバムをここで一気にまとめておきたいと意味も込めてお送りいたす次第です。その一回目はドラムンベース編。この上半期も気になるアルバム結構出てて、Hospital RecordsなんてHigh Contrast、Krooked & Camo、LogisticsにNetskyと4作もアルバムリリース済と、頼もしい限り。しかし今回はそれらをあえて外した全10作のアーティストアルバムと、コレクションアルバム3作をリストアップ。大げさなエントリのタイトルは毎年同じじゃ芸がないかなと思って、コンピでありそうなタイトルをもじっただけで、要するに「マイ・フェバリット」リストってことよ(ランクは気に入った順)。


10. Atlantic Connection - Love Architect


LAのドラムンベーシストの2nd。ハウスやダウンテンポガラージなど意外にもコンテンポラリーでバラエティ豊かなスタイル。正直純粋なDNBトラックは3曲くらいなんで出来以前にそこはあまり期待せずに、ってとこ。それはまあいいんだが、前作にあったヒップホップのインフルエンスは今回かなり少なめなのが惜しい。


09. John B - Light Speed


風体はすっかりニューウェーヴ(?)の人みたいになっちゃったベテランJohn Bさんのニューアルバム。トランス風シンセとヴォーカリスト多数フィーチャーしてると聞くと今時のユーロダンスものみたいになってんじゃないのと思うかもしれないが、リズムはちゃんとDNBで思わず盛り上がることうけあい。ポップでキャッチーだけどやっぱこの方ドラムンベースのアーティストだわって感じさせるとこは凄いと思う(まあ見た目で判断しすぎてたかも)。あとKirsty Hawkshaw(元Opus III) が参加してる。すっかりDNBついてるのね。


08. MsDos & Friends - Swing LP


ギリシャのDNBシストMsDos。と「その仲間たち」という名義通り、彼が色んなアーティストとコラボした曲を集めたアルバム。コラボ相手からの影響が音楽要素の付加みたいなとこあり、グルーヴは(いい意味で)テンプレート的でアルバムとしては結構まとまってる。タイトルトラックと「Herbie's Groove」は(スイング)ジャズがサンプリングっぽく出てて面白いが、全体的にはジャジーというよりスムース。


07. Physical Illusion & Sunny Crimea - Soulful Nights


ウクライナのDNBシストPhysical IllusionとSunny Crimeaのコンビアルバム。半分は2人の曲で残りはそれぞれのソロ曲という構成。アトモスフェリック、ジャジー、オーガニックで流麗なリキッドスタイル。


6. Dynamic - Modal Lounge


Fokuz Recordingsからのリリースも納得の超優良リキッドもの。数曲入ってるテンポの緩い曲が90年代のダウンテンポ、フューチャージャズっぽいんだが、アルバム全体はそれをアッパーにした感じ、ってな具合。MsDos & Mottaの曲をDynamicがリミックスしたものも収録。今回あげた中で好み関係なく広く進めるならこれか。


05. Forbidden Society - To The Threshold


デジタルハードコア野郎Noize PunishmentことJindrich Brejcha、Forbidden Society名義での1stアルバム。「DNBやってなかったらメタルバンドやってたかも」なんて言ってるのも分かるパンキッシュな凶悪ハードコア・スタイルで、DNBの他に複雑で不規則なブレイクコアや、ギャバみたいなものまであり。しかしDNBな曲はかなりDNBなグルーヴしっかりしてるし、スタイル色々でもノイジーな音色や風合いを統一してるんでアルバムとしても良い出来。また「Burn VIP」って曲が(DNBっぽくはないけど)LL Cool J「4, 3, 2, 1 (feat. Canibus, DMX, Method Man & Redman)」のRedmanのラップを勝手に使ってて、これがまた随分カッコいい。


04. Zoom - After Dark


ミニマルな音数に静と動のコントラスト、音の隙間感がとてもユニークって感じのアルバム。「Memories」の和風な雰囲気や、「The Moon」や「Sandalwood」なんかのリズムパターンと鳴りモノの音色など、初期Photekからの影響が大きい。でも自分の音として吸収出来てて良いよ。チェコの人だそうな。


03. Subwave - Subwave


ロシアのDNBコンビSubwaveのデビューアルバムはDNBの大手老舗Metalheadzから。全体的には「お水」っぽそうなシンセ音をうまく使って洗練された音作ってる。逆に言えばこんな感じのシンセ音フィーチャーして下世話になってないのが凄い。DNBテンポでパターンは豊富なとことか、個々で色んなスタイルやってきてるのが良い感じで出てるのかな。アルバムカヴァーのアフロっぽい(?)雰囲気もちょっとだけある。


02. Nymfo - Characters


オランダのDNBシストNymfoの1stアルバム。タイトなグルーヴ回しのドラムファンクやブリブリのベースもあれば浮遊感のあるトラックもある、ダーク過ぎないサイバー感が是妙なバランス。Black Sun EmpireCernなどゲストも渋く、感心ポイント多いクールな作品。でもアルバムカヴァーは全然良くないと思う。KluteのレーベルCommercialSuicideからのリリース。


01.Optiv & BTK - Dirty Tricks


UKのDNBシストOptivとBTKがコンビを組んだ1stアルバム。リリース元のVirusらしいスタイルだけどサイバーなシンセ音は控えめで、バリバリとしたベースで聴かせるごん太ファンキーDNB。曲によってはダブステップのウォブルなベースでテンポはDNBのままってのがあって、そういうの意外とありそうでなかった。


Notable Collection Albums

VA - EZ Rollers - Crowd Rocker Cuts


これは嬉しいEZ RollersのレーベルIntercom Recordingsのカタログ50番を記念した、同レーベルのセレクションコンピ。コンピ、ってもほとんどEZ Rollersの曲で構成されアルバムに収録された曲も入ってる、00年代の彼らのクロニクル盤と思ってよし。ローリン!ローリン!。


Commix - Dusted (Selected Works 2003-2008)


Commixの新しいアルバムが出たら間違いなくその年を代表するDNBアルバムになりそうとか思ってるんだが、こいつは副題からも分かるとおりオリジナルアルバムではなく未発表曲集。1stアルバムより古い曲とかもあるってことになる。その1stよりももっとオーソドックスななDNBの魅力があるトラックが集まってるか。


Plug - Back On Time


パパもビックリだ!。Wagon Christ AKA Luke Vibertの数多い「AKA」の中でもDNB用名義Plug、まさかのセカンドアルバム?。...ってコレがどうやら1996年「Drum 'N' Bass For Papa」製作時の未発表曲を収録したアルバムのようです。「Papa」はDNBサウンドそのものだけじゃなく「DNBサウンドの解釈」という点でも重要なアルバムという印象が強いが、後のLuke Vibertサウンドの本質は変わってないということを再確認。なのでさすがにもう改めてDNBのフォーミュラを意識したアルバムは出さないかな、とかも思ったり。