Luv NY - Luv NY


ヒップホップはやはりNY!。ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラヴNY!、とか言ってる昔気質なド頭の持ち主(ヘッズの意味)なら気にならないはずがないこのユニット、その名もLuv NY!と、そのまんまライク東!(←イーストコーストにも引っ掛けている) 。それもA.G.、Kool Keith、O.C.、KuriousそしてRoc Marcianoが参加したスーパーグループという触れ込みで、そりゃすげぇやってとこだ。早速聴いてみたが実際のとこは本作、この5人によるグループということではなく、トラックメイカーのRay Westが手がけた曲にラッパーは1曲辺り1人から多くても3人くらいフィーチャーしてるという構成。要するに豪華ゲストを迎えたRay Westのソロアルバムですね、これは。またそのトラックも90sっぽいブーンバップなスタイルってのは意外に少なめ。メロウでアトモスフェリックな作風はむしろヨーロッパのダウンビートものをイメージするとさえ言えるもので、随分直球なユニット名からすると不意をつかれるかも。なのでゴリゴリにハードコアなビートに乗って5人がマイクをリレーする...みたいな図は期待しないこと!。ライトなテイストのトラックと、NYラップ好きなら嫌いってのがいないと断言できる名ラッパー5人との組み合わせの妙に着目すれば興味深く聴けるはず。ラッパーのセレクトに関してはKuriousが入ってるのが良いセンスだ!。
Luv NY - Pressure Up (feat. Kool Keith & Roc Marciano)

とびっきりイルなお二方に対し、透き通るような音像の上モノを湛えたトラックが不思議な付け合せ具合。ちなみに近々出るRoc MarcのアルバムにもRay West参加してるみたい。



Luv NY - Legacy (feat. O.C.)

O.C.にこんな感じのトラック。美しくもやっぱり不思議。



Luv NY - The Ritual (feat. Sean G)

この曲ビートはNYっぽいかな。でもインスト!(悪くない)。


-If you like this title, I also recommend...

A.G. - Everything's Berri (2010)


J Dillaの「Donuts」にA.G.がラップ乗っけたミックステープ「Dunkin Donuts」ってのが同時期に出て、正直そっちばっかり聴いてたな...というA.G.のサードソロアルバムは全曲Ray Westプロデュースで、音もこっちの方が伝統的なNYっぽい。でもLuv NYはむしろそうじゃないとこが聴き所なのかなというか、Ray Westのトラックメイカーとしての個性はLuv NYの方が出てるようなというか...。
A.G. - No She Didn't

...たとえばこのアルバムでいうならこんなトラック。