Bambu - ...One Rifle Per Family - machinegunlistening

Bambu De PistolaはかつてLAのフィリピーノ・ギャングに属していた経験を持つ、モノホンなギャングスタ・ラッパー?!...と言っても社会的メッセージ性の強い詩をラップをするコンシャスラッパーで、なおかつジョークやユーモアのセンス抜群っていう不思議な方だ。最新ソロアルバムのテーマは「家族」。だが、「家族を大事に！」「親に感謝！」みたいに短絡的な物言いじゃないのはアルバムタイトルからして明白。また家族っても血縁関係だけじゃなく、種族、コミュニティ、ご近所、仲間、ってことでもあるのはヒップホップ好きなら予想できよう。フィリピン系という出自やその環境、歴史も交えつつ、「おっかなくて、アツくて、面白い」というある種オフビートなキャラクターとラップはこれまでのアルバムより良く出ていて、その点に関しちゃ本作はキャリア・ベストっつってもいい。動画なかったんで貼っつけられなかったんだが、2009年にフィリピンで起こったマギンダナオの虐殺事件を扱った曲なんか壮絶で。ただ音楽的にはこの人フックやメロディのリフに独特の癖があるのと、トラック選びがすごく幅広いって特徴があって、前者は味なんで別に構わないが、シンセがビヨンビヨンかと思えばサンプリングベースのロウなものがあったりするトラック群については、今回のアルバムにおいてはメッセージ性に添ってビシッとその辺統一した方が良いアルバムになったんじゃないかなという気もした。それでもヒップホップならではの楽しみと凄み溢れる一品間違いなし。
Bambu - So Many

フィリピン語（？）もちょろっと披露。まさにイン・ザ・プレイス・トゥ・ビー。

Bambu - Sermon

この曲は軽いノリ。その分ビデオの洒落がきつい！。

Bambu - Moms

自身の母親の物語を通して普遍的な「母」という存在へのリスペクトを表現。詩に応じて曲の展開が（三段階も！）変わる作りも見事。

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Bambu - Diamond Supply Co. x Bambu (2011)

昨年リリースされたこのミックステープはLAのスケボー・アパレルのブランドDiamond Supply Co.とのコラボ。ということで「ダイヤモンド」をお題に色々ラッピンの全6曲。トラックは全て6 Fingersなるプロデューサーが手がけてるが、アングラというよりマイナーっぽい感も。ちなみにDiamond Supply Co.の設立のインスパイア元ってSadeの「Diamond Life」なんだそうな。
Bambu - The Streets

というわけでSadeの曲をサンプリングしている、と。

DJ Muggs & Bambu - Los Angeles, Philippines (2010)

ミックステープを含めると結構な量の作品を発表してるBambu。最初に聴いてみようと思ったらお勧めなコレはDJ Muggsとのコラボアルバムで、Cypress Hillのドメジャー曲を含めトラックは全てDJ Muggsが過去に残した名曲のビートを使用した、そりゃ悪いはずがねえやなというフリーのミックステープ。しかも曲がミックスされたものとミックスされてないものわざわざ2種類入ってる親切設計。しかし、言うまでもなくBambuはSoul Assassinsの一員なんだが、新作にはその辺の人脈があんま反映されてない（Sick Jackenがゲスト参加してるくらい）のもちと残念だった。
Bambu- Smoke Smarter @ Bowery Ballroom, NYC

「食う、飲む、吸う、何事もバランスが大事。ハッパそのものよりハッパ吸って仕事しなくなり金が回らなくなることの方が問題だ。（だから賢く吸おう）」なんてメッセージを「Stoned Is The Way Of The Walk」に乗せてラップ。面白い。