Blue Sky Black Death & Nacho Picasso - Lord Of The Fly / Exalted


今月頭、と言うとすなわち年明け早々ちょっと体調を崩しちゃって。新しい年のはじまりで期待は青い空のように晴れ渡っているいるというのに、眼前に広がるのは黒い死のみなのか!、なんて思ったわけでもなく、ボーっとして悪寒が走る体でたまたま聴いたBlue Sky Black Deathがとても響いたんで取り上げておきますね。テキサスのNacho Picassoなるラッパーとのコラボアルバムが去年2作も出ていて(しかも両方とも上半期,、というかほぼ一年前)。近年は音のエレクトロニック化が顕著で、303っぽいスカスカなビートのゆったりとしたグルーヴと、もはやテクノって言っていいシンセ音使いっぷりで、幻想的というか幻覚的なムードを持ったサウンドを確立してる連中。クラウドラップだのチルウェイヴだのの影響とかもあんだろうが、映像的でシューゲイザーっぽささえある雰囲気は元々持っていた要素で、それらを残したまま(進化した)オリジナルなスタイルに、どこから連れてきたのかって感じなNachoの、延々と語呂の良い「うわ言」をハッキリ言い続けてるみたいなラップがまたハマってること。体調が戻ってシラフで聴いてもこいつはSickだとすっかりフェイバリットになったのでした(大してうまい事言ってないのは病み上がりだったから、とか大目にみてください)。
Blue Sky Black Death & Nacho Picasso - Phantom Of The Opera

「Lord Of The Fly」より



Blue Sky Black Death & Nacho Picasso - Public Enemy

「Exalted」より。この他オフィシャルビデオやたら作ってる。


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Blue Sky Black Death & Nacho Picasso - For The Glory (2011)


Nachoとは2011年の本作から一緒にアルバム製作していて今のところ通算3作もリリース重ねてるほど。上記にあげたBSBDの音楽スタイルは本作から表れ出したってことでいいのかな。そんでどれから聴いても問題ないというか、どれ聴いても同じ調子?。とはいえ全体的な雰囲気は似てても、1曲1曲の音作りと構成はとても凝ってて聴き応えあり単調には感じない、細かい違いもまた楽しかったりする。
Blue Sky Black Death & Nacho Picasso - Bad Guy

これなんかピアノの音の使い方がとても印象的。


Blue Sky Black Death & Hell Razah - Razah's Ladder (2007)


シアトルのプロデューサーコンビYoung GodとKingstonのBSBD。これまでに何度か音楽性を変化させている彼らの歩みを、ここはひとつ良い機会なんでちょっと振り返ってみようかなと。2006年に2枚組みアルバム(それぞれインストと複数のラッパーををフィーチャーしたもの)でアルバムデビューを果たした彼ら、2008年あたりまでにWu-Tang一派のHolocaust (AKA Warcloud)やSunz Of ManのHell Razah、さらにはあのJean Graeなんかとコラボアルバムを製作している。このころの音はいわゆるアンダーグラウンドヒップホップで、今ほどエレクトロニックな音は少なめ。ただし入り組んだと言うか凝った音作りや、ゴシックな美意識は現在に至るまで一貫しているよ。実はこの時代の作品は良く聴いていて、べつに馴染みがないわけではなかったのだ。が、2008年あたりから徐々にサウンドに変化が表れ出してからは今年頭まではそこまでしっかりチェックしてなかった。その辺りに関しては?、次回に続きます!。
Blue Sky Black Death & Hell Razah - Sun of Man

Hell Razahとの「Razah's Ladder」より。そのアウトロ。世界観が変わってないのが良く分かるでしょう。