Blue Sky Black Death & Deniro Farrar - Cliff Of Death EP


今日もBlue Sky Black Deathです!。2012年はNachoとのアルバム2作の他に、EPとアルバムも1作づつ出してるハードワーカーぶり。この「Cliff Of Death」は、GrimesのリミックスにもフィーチャーされてたノースカロライナのラッパーDeniro Farrarとのコラボ作。音色は基本的にNachoとのアルバムの延長線上にありつつ、より幽玄さシューゲイズっぽさを強調した雰囲気。Deniroは「2Pacの生まれ変わり」だの「リーダー・オブ・カルト・ラップ」だの自称する怪しい奴だが、ラップ自体は(本作では)落ち着いた凄みを聴かせていて、これまた靴の先見つめがち(?)なトラックとの組み合わせ不思議な魅力ある。Nachoが参加した曲も1曲あって、二人の違いも比較できるよ。リリースは昨年末、ということは今年のベストに絡めちゃおうか。
Blue Sky Black Death & Deniro Farrar - Just In Case The World Ends


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Blue Sky Black Death - Presents Skull And Bones (2012)


2012年リリースもう一つの方のアルバムは、同郷のニューカマーSkull And Bonesとのコラボ。悪くはないがNachoやDeniroがインパクト強すぎて、ちょっとしっくりき過ぎている感も無きにしも非ず。
Blue Sky Black Death - Rebel Bitches


Blue Sky Black Death - Third Party (2010)


さて、前回の「続き」はここから(変則的でスンマセン)。2008年くらいからはインストゥルメンタル・ワークを中心にロックやレフトフィールドと呼ばれる類のスタイルなど音楽性を大きく広げ始めたBSBD。映像的心象を描いた「Late Night Cinema」(2008)や、タイトルもズバリな「The Indie Rock Essentials」(2009)などなど。2009年の「Slow Burning Lights」(良いタイトル)やその翌年の「Third Party」なんかは、ラッパーではなく(ロック畑の)シンガーとのコラボアルバムだったり。と、ヒップホップだけに留まらなくなって(だからというのではないものの)「こんな感じになっちゃったんだ」とチェックを怠りはじめたワケです。改めて聴きなおしてみると、この辺りの色々な試みが現在にまで生かされてるのもよく分かる。またこのころは生音なんかも積極的に取り入れてて、最近はむしろエレクトロ二ックってのも面白いとこ。
Blue Sky Black Death - Carl Sagan

2010年、Boy In StaticなるバンドのヴォーカルAlexander Chenとのコラボアルバム「Third Party」より。この曲は音もグルーヴも現在の曲に通じるものあるし、そもそも名曲だ。ちなみにアルバムの他の曲や、上に挙げたアルバム群はiPadだのWindowsだののCMに使えそうなくらいの感じ、ってこれがマジで。


Blue Sky Black Death - Aquatic Reverie (2012)


前回と今回、なんだか時系列メチャクチャにBSBDを取り上げてしまったようなのでここで改めて簡単にまとめると、2006年〜2008年がアンダーグラウンド・ヒップホップ期、2008年から2011年がサウンドの幅を広げたロック期(って言っていいと思う)、2011年から現在がエレクトロニックなヒップホップ回帰、ってな具合。それで、ありがたいことに昨年そんな歩みをざっと振り返ることが出来るアルバムがフリー出てたんだわ。それこそ2006年から去年までの曲をインストで色々集めた編集盤で、とにもかくにもBSBDを聴いてみようと思ったらまずこれがいいんじゃないでしょうか。