Umberto - Night Has A Thousand Screams


1970年代から80年代中盤あたりのシンセ・サウンドによるスコアをフィーチャーしたサウンドトラックに取り憑かれた男Matt Hill。Umbertoなる名前でそんなシンセ・スコアを再現したような音楽をこしらえる彼の最新作は、実際の(特定の)映画をイメージした作品である、だって!。その映画とは「Pieces」、邦題は「ブラッド・ピーセス 悪魔のチェーンソー」という1982年スペイン産のスラッシャームービーってんだから、こいつはメイニアック!。元の映画の方もヘナヘナなシンセ・スコアが使われているのに、Umbertoはぶっといアナログ・シンセのベースに怪しいメロディ、そして「ドチチチ、ドチチチ、ドチチチ」って規則的なリズムボックス風ビート、などなど全編この手のシンセ・サントラのおいしいとこ取りしたようなサウンドで、新たに映画のサントラを自主的に完成させたというとこ。オリジナルのメロディをなぞらえたオープニングから、自身によるメインテーマとそのメロディを色々アレンジしてシーンを彩る様は、音そのものの「いかにも感」やサントラあるある満載でおもろいぞ。 こだわればこだわるほどその様が嬉しいってオレもメイニアック!。
Umberto - End Credits



Umberto - Boston, 1942

これはオリジナルのメロディを生かして自身のものに進化させたような曲。



Glasgow Film Festival 2012: Cry Parrot presents: Umberto

この「Night Has A Thousand Screams」は元々グラスゴーフィルムフェスティバルにおいて、映画「Pieces」を上映しながらシーンに合わせて音楽を演奏するパフォーマンスのために作られたものだそうで、その際の映像がこれ。良いイベントじゃないの!。ちなみに映画「Pieces」は殺人シーンがエグいB級スラッシャーで、アタクシ見たことあります!。ホラー映画のショッキング・シーンを集めたビデオ(確かヴィンセント・プライスがナレーションしてた)にこの映画のワンシーンがあって、気になってレンタルしたと記憶しておるが。まあ、おかげで21世紀も10年以上経ってこういうアルバムがより楽しめるんだから「何でも見とくもんだな〜」と思っちゃった。


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Majeure - Solar Maximum (2012)


プログレなシンセ大好きバンドZombiの片割れAnthony Paterra。そのソロユニットMajeureはもっとクラウトな音で、昨年2作目が出ています。合わせて聴くとまたおもしろい。Umbertoよりはサントラっぽい縛りはない感じ。
Majeure - Solar Maximum