Biosphere - N-Plants


なんだか早かったような、そうでもないような。あれってちょっと前の出来事のような、随分昔の出来事のような...そんな2011年、上半期最後に相応しいアルバムを取り上げよう。ノルウェーアンビエントテクノ・アーティストBiosphereことGeir Jenssenの最新作はなんと日本の原子力発電所をテーマにしたアルバムなんです、ってこれホント!。アルバムタイトルはズバリな上に、「Monju」「Sendai」など収録曲目はすべて日本の原発原発所在地)名。レーベルのインフォによればこのアルバム、元々はJenssenが戦後日本の経済成長にインスパイアされたアルバムを製作しようとして構想中、たまたま見た美浜原発の写真から「日本の原発をイメージしたサウンドトラック」を作ろうと決めたアルバムなんだそうで、それが今年2月のこと!。アルバム自体は2月13日に完成したそうだが、そこから先に起こったことは言うまでもないところ。音楽的には未来的な建造物の設計、デザイン、ロケーションを表現した美しいサウンドスケープを描いている反面、Jenssenが原発の写真を見たときに感じたという、海の側に立てられた原発の、地震津波が起きた際の安全性に対する疑問や疑いを表現したかのようなダークで不安な要素も聴き取ることができる。しかしこれが原発に対するプロテストアルバムとして製作されたわけではなく、震災後のポストカタストロフを表現したアルバムでもないってところが逆に小説より奇なる事実。むしろ美しければ美しいほど恐ろしくなるアルバムじゃないか。静かに2011年の下半期に良いこと起きることを脱原発と共に願いつつ聴くとしよう。

Biosphere - Patashnik (1993)


古くからテクノを聴いてる御同輩には1990年代前半にR&S傘下に設立されたアンビエントレーベルApolloからのリリースを思い出すでしょう。そんなBiosphere、近年はあまりチェックしてなかったもんで久しぶりだったんだが、新作は音の雰囲気当時の面影あるのが嬉しかった。ビートもあるし、「エレクトロニカ」な感じじゃなく「アンビエントテクノ」な面持ちでね。
Biosphere - Novelty Waves (Biosphere Arctic Mix)


The Higher Intelligence Agency & Biosphere - Birmingham Frequencies (2000)


ついでにもっと懐かしいThe Higher Intelligence Agency!。こっちはさすがにもうやってないか。
The Higher Intelligence Agency & Biosphere - Narrowboat