6 Albums From Planet Mu 2011 (Jan - Jun)


それは、ある種の似通ったエイムを目指しているが、個々は余りに突き抜けた個性達が集う、一介のレーベルと呼ぶにはあまりにも特異な越境の地。まるで惑星?。・・・「プラネット」言うとるしね!。と、いうことで、先送りにしていたら若干遅きに失した感もある2011年上半期Planet Muリリースのアーティストアルバムまとめ聴きスペシャル!。6月までに5作、レーベルサンプラーのコンピを合わせれば今年も月一ペースでリリースを重ねるクレイジーな充実ぶりで。しかも、どれも個性的で大変素晴らしい出来です。早速チェックしてみよう。


FaltyDL - You Stand Uncertain (ZIQ286)


今やレーベルの中核的存在と言ってもいいFaltyDLのセカンド。エレクトロニックで幻想感溢れるサウンドスケープの表現に主軸が移り、前作のウリだったガラージなビートは内包的に打ち出されている、といった印象。また前作よりカラフルになってるとも言えるが、グルーヴ感は維持されてるのがいいね。ヴォーカル曲の鮮やかさが際立っているが、インスト曲とのコントラストこそ美しい。Planet Muの連中って安直なことはしがちじゃないのが頼もしいな。
FaltyDL - Gospel Of Opal (feat. Anneka)

I love Anneka.


Boxcutter - The Dissolve (ZIQ289)


意外や意外なこのファンク感。ディスコ的だったりアーバンな雰囲気もあるようなノリで、ややリスニング向けなエレクトロニックミュージックを展開していて驚きだったのがBoxcutterの4作目。DMX Krewニューウェーヴなファンクをやってたりするけど、こっちはもっとファンク感をサウンドに落とし込んでる。IDMならぬIFMって言いたくなるような、あんまり他に無いような音でいたく感心。
Boxcutter - TV Troubles


Chrissy Murderbot - Women's Studies (ZIQ294)


クリッシー・マーダーボット・ジューク・ジューク!(ファスター・プシーキャット・キル・キル!のもじり)。今年、Planet Muはジュークに影響を受けたエレクトロニックアーティストのアルバムを絶対出してくると思っていたが、いや出すべきだとも思っていたが、まさかMurderbotちゃんを引っ張り込んでくるとは!。まさに何とかに刃物なアルバムで女も痺れてフットワークダンシング!。図式としてはあまりにも「あまりにも」だが、ナーディでキャッチーなジュークサウンドに文句があろうハズなし。No Nukes More Juke!なんちゃって。
Chrissy Murderbot - Bussin Down (feat. DJ Spinn)

ジューク・ジューク・レボリューション!。


Anti-G - Anti-G presents Kentje'sz Beatsz (ZIQ301)


新しい才能のディベロップメントに余念が無いのも良レーベルな証拠、だが、こいつは掘り出しもんでしょう。若干18歳というこのAnti G、デビューアルバムはUKファンキーっぽいグルーヴをとことん音数少ないロウなシンセ&ドラムサウンドで展開する、素晴らしくルードなベース魂溢れる傑作だ。シンセ音にちょっと変なエコー掛かってるのが初期Mu-Ziq思い出した。
Anti-G - Oepss Te Hardd!


Machinedrum - Room(s) (ZIQ307)


既に名のあるアーティストが別のレーベルに参戦してくるのも面白いもんです。なんとあのMachinedrumがPlanet Muからアルバムをリリースとは。これまでの作品はエレクトロニカサウンドにヒップホップなグルーヴってな調子だったが、ここでは完全にPlanet Muの毒気にやられたような、ここ最近の様々なビート感を披露。ただし、そのビート感(あるいはビート観というか)はややミーハーというか表面的なとこもなきにしもあらずで、FaltyDLとは対象的。まあ意識してやってるんだろうし、アルバムのクオリティ高いんでいいけど。
Machinedrum - GBYE


VA - 14 Tracks From Planet Mu (ZIQ295)


と言う訳で、毎度楽しいリリースで嬉しいPlanet Muでした。全体的に思ったのは「ポストダブステップ」って言葉、聴き手の方が意識しすぎかな、ってことだったり。最後に、年頭に出たコンピはそんな同レーベルを手っ取り早くチェックできる有難い一作。だが、Anti-G、Machinedrum、Murderbotはコレに入ってないっていうから逆に驚きだ。しかも、当然下半期も既にアルバム出していて、この惑星に油断は禁物である。