Demdike Stare - Elemental


今の気分?。...太陽もない、蝶もない、夢も希望もない...そんな恐怖と絶望に苛まれているところです。これは別にゴールデンウィークが終わったからとか既に五月病になったとか言うわけではなく、単にDemdike Stareを聴いてるだけなんでゆめゆめ心配はめさるな。2012年、目玉盤の一つであろう「Elemental」は四つの元素を花に例えたタイトルで昨年末から順次リリースされた同名EPシリーズをまとめたアルバムで、EP収録曲全曲にエクスクルーシヴな新曲を加え、おまけにEPの曲の内4曲はヴァージョン違いという、恐怖の出し惜しみ無しな内容になってます。まるで聴くものを砂鉄で出来た砂地獄にゆっくりズブズブと飲み込むごとき、色合いはモノトーン音作りはドゥーム&ドローンという世界観は従来通り。そしてエレメントの集合体と言うことでか1曲1曲のスタイルやアイデアのヴァリエーションが今回聴き所で、「We Have Already Died」のテクノっぽいパーカスや「Nuance」のダビーなベースライン、単音ドローンな前半からマシナリーなリズム主体の後半という2部構成の「Kommunion」、Demdikeにしては珍しく激しいビートがトライバルなサンプリングリズムに有機的に絡む「Mnemosyne」などなど、サウンドメイキング担当であろうMLZの腕の振るいっぷりが際立っていることよ。他方、印象論で言うと過去のアルバムと比べれば今回はオカルト、神秘主義、モンドなテイストというよりもっと無機質で無慈悲な響き。ドスン、ドスンというリズムとコントラバスっぽい重いベースに対して色合いの違うシンセサウンドがそこかしこを浮遊する霊体のごとく漂うバランスの不協っぷりがインセインな画しか想像させない「Dauerlinie」。刃物を研いでいるかのような音の旋律が聴き手の神経をすり減らして行く「Ishmal's Intent」。「Mephisto's Lament」なんて、後半ギターリフの「ジャーン!」って入り方なんかはほとんどホラー映画のビビらせのそれだわ。(今さらながら)日常的に聴いてたらもはやおかしいだろ!。実家暮らしの人、これ爆音で流したらおばあちゃんが数珠持って拝みだすかもしんないよ。なんて、そんなこと思ったりする音楽の力を感じる素晴らしい作品。気が付きゃ再生モードがアルバム全曲リピートになってるハズだ。...いつのまに?!。キャアアアアアア!。トワッタッ、ヒィイ!。
Demdike Stare - Dauerlinie



...次回に続く。