Georgia Anne Muldrow - Seeds
前回、前々回と「ラップとトラック」の関係性について考察を重ねてきました。なんて書くと高尚なことやっとる風だが、要するに一人のプロデューサーがまるごと全部手掛けたアルバムを続けて取り上げてきたということで、その流れで言っても良かったって作品が本日のピックというわけだ。ラップじゃないけどGeorgia Anne Muldrowの6作目「Seeds」はなんとMadlibが全曲プロデュースだってよ!。ブレイクビーツ、サンプリングとループによるヒップホップマナーなトラックメイキングのMadlibビーツに合わせるかのように、Georgiaの多彩で美しいヴォーカル&コーラスワークもアブストラクトでループ感あるようなとこがコラボな味あるね。これまでの彼女のアルバムにはあまり無いロウさ加減が今回は濃厚で、方やブランテッド・ハイ、一方スピリチュアル・ハイというお互いの世界観が、交差だったり融合だったりするとこもむしろ聴き所。特に唯一ヴォーカルネタがあるタイトルトラックはその元ネタの使い方が音楽的にも詩的(メッセージ)にも生かされている飛び抜けた出来で、サンプリングアートとしても素晴らしい。なんで、もう数曲ヴォーカルネタを使った曲が聴いてみたかったが、これはまあ欲張りすぎな意見。ただ単に「ヒップホップトラックにヴォーカル乗ってる」というものでは無いが、「Beat Copndacta」とか「Donuts」みたいなのがヴォーカルものだったら?、っていう「もしも」が具体化したものと考えても面白いアルバムだと思う。あとMadlib全曲プロデュースのアルバムで素直に「傑作!」って言えるのは意外と久しぶりだったりして。
Georgia Anne Muldrow - Seeds
元ネタを「ブツッ」と切るとこのファンクネス。Georgia髪結んだだけで雰囲気グッと変わる。
Georgia Anne Muldrow - Wind
シンプルに良い曲!。
Harold Melvin & The Blue Notes - Where's The Concern For The People
元ネタを労せず知れて聴ける、良い時代になりましたね。Madlibにしたら「商売あがったりだ!」とか思ってるかな。