I Hear Voices
Big Twins - The Project Kid
今日もヒップホップだけど2009年ベストアルバム候補っていうのとは違うようなアルバムです。そんな紹介の仕方があるかって！。いや、年間ベストってのとはまた別の魅力がある感じな盤なんで誤解無きよう。フロムNYはクィーンズブリッジ、Infamous MobbのTwin Gambino改めBig Twins、2枚目のソロアルバム！。またゴツイの選んでしまいました。とにかく鉄火場のオヤジのようなイカツいダミ声がスゴいこの男。今作でもそこは存分に味わえるのでご安心めされい。バックは言うまでもなくどこを切ってもアンダーグラウンドなトラック群だけど、なまじ余計なヴァリエーションが無いのがいい。まあ申し訳程度に1曲ヴォーカルをフィーチャーした曲、あるにはありますよ。ハードコアヒップホップファンは必聴！ってより、尊敬の念をこめて「ハードコアじゃない奴は聴かなくてもよし」って言ってやろうか。とにかくどこまでも荒涼としたクイーンズブリッジの風景を映し出す音楽だ。行ったことないけどね！。
このカッコいい「悪い声」！。・・・だけど喋り声は結構イイ声だったりして。あとこの曲のトラックで使われてるのって、なんかのゲームの音楽かな？
〜合わせて聴きたい盤〜
Infamous Mobb - Special Edition (2002) / Mobb Deep - Hell On Earth (1996)
Ty Nitty、Godfather Pt. III、そしてTwin Gambinoの三人によるInfamous Mobb、略称IM3はその名の通りMobb Deepの子分的存在としてMobb Deepのサードアルバム「Hell On Earth」のゲストアピアランスを経てデビュー。IM3はそれこそMobb Deepから派手さを取ったようなグループで「元から派手さを拒むMobb Deepからそこを取るかね！」というサウンド＆ラップぶりと、2002年というNYのハードコアヒップホップにとってはあまりいい時期ではなかったようなデビュー時期など諸々を考慮すれば、時期が時期ならもっと良く受け入れられた気もするが。そういった「不器用ですから」感もハードコアな味わいかも。グループとしてはMobb Deep関連の作品に必ず登場しつつ更に2枚アルバムを出すが、とにかくTwin Gambinoのダミ声っぷりが際立ってる。しかしよく聴くとProdigyやHavocの節回しにとても忠実なラップスタイルなんだな。現在IM3はグループとしては休止状態？。
Big Twins - The Grimey Collection (2008)
2007年のIM3のサードアルバムを経てTwin GambinoはBig Twinsと名を改めソロデビュー。「一人なのになんでTwinsなの？」と思うかもしれないが、実は彼にはTwin Scarfaceを名乗るIM3のメンバーでもあった双子の兄弟がいたんだが、1996年に交通事故死してしまったんだそうな。そんな事情も知るとダミ声の裏に潜む想いにも泣けるもんである。今回のアルバムとこれ、トラック製作陣もほとんど一緒で、2枚シャッフル再生してもどっちがどっちかわかんないかもしれないけど・・・どっちもイイからＯＫでしょう！。
「何to the top」なのかは聴けばわかる！。しかしすごいとこからハードコア要素を引っ張り出してくるね。スタカン！。
Sid Roams - Strickly Nstrmntl (2008)
「The Project Kid」や「The Grimey Collcetion」はもちろん、MobbのProdigyやIM3などのトラックの多くを手掛けているのがBravoとJoey ChavezのコンビSid Roams。要するにここ最近のQBサウンド＆ハードコアヒップホップの一角を担っているチームと言えるが、その仕事ぶりには若干ムラがあるような・・・。上の「To The Top」なんかイイ感じだけど。ちなみにChavezはSwollen Membersなんかにもトラック提供していてBattle Axe Recordsなどからソロアルバムも出してる。「Strickly Nstrmntl」はそんな連中が手掛けたトラックを集めたもの。
