DJ Stingray 313 - F.T.N.W.O.


すっかりヌルくなった更新頻度を何とかせねば!、とブログ書いておるんですが…、これ今年最初のフェイヴァリット・アルバムだなと気づいて我がのノロさを痛感!。しかもリリース自体は去年末だし!。しかし、そんなこんなとは対照的にアッパーでカッコいいのがデトロイトのDJ Stingray 313、セカンドアルバムの「F.T.N.W.O.」!。エレクトロを基盤にしたテクノ・スタイルでテンポが速い、というのが大きな特徴だな。勢い余って(?)ドラムンベースな曲も1曲あるほど(10曲目)。また音数はミニマルで、この手のものの中では音の質感自体もあまり分厚くないというのも珍しく、なのにカッコいいというのは不思議ですね。ファンクっぽさもあるし。それで隠し味みたいなデトロイト・テクノ的シンセリフやストリングスがまた素敵で。さらに、この人ハットのリズムにシンバルの音をあんま使わないというのもおもしろくて、今回のアルバムも3曲くらいしかない。ただし、かわりにシンセ音でそれを刻んでる傾向があって、これが「暴走する電子音」っぽさを強調してる、ライオット・テクノって感じ。F.T.N.W.O.でR.O.T.F.(ライオット・オン・ザ・フロア)!。
DJ Stingray 313 - Dark Arts

後半デトロイトテクノなリフが加わってくのがたまらん。

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Essential Electro Albums of 2012!


アイシングボデーエレクトロ!。2012年のまとめネタもいいかげん今日でオーラス。どうせなら今までやったこと無いテーマで、という趣で今回はエレクトロ編!。ここで言うエレクトロとは、2007年くらいに流行ったフレンチ・エレクトロみたいなんでもなければ、EDMのようなものでも断じてない、オールドスクールなトゥルー・エレクトロだよ!。普通のテクノとか以上にダサいものと紙一重、みたいなとこあるジャンルなれど、結構アーティスティックにちゃんとした(?)アルバム出てるのね!という全12作。2012年通してのベストと思ってよし!。情報が遅いお詫びに全て「バンドのキャンプ」のリンクを掲載しておきました!。ビウェア、ビウェア、エレクトロ・イズ・エッヴリウェア!。

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More Essential Hip-Hop Albums of 2012!


前回ブログ更新したときは寒かったのに今日は暑いくらいだ!。忌まわしきマワファッキン・ワークが3月からやや忙しくなってきて、この数年超アブストラクトだった生活リズムも随分規則正しくなり、そっちに慣れるのが大変な日々だったりしてます。ブログの更新も滞ってきてるのはその為…とはいえ、いまだ2012年のアルバムをまとめて取り上げ中!なのはもはやちょっとしたサプライズの方に寄っちゃってるとか言わないと格好がつかないなこりゃ。という今回はそのヒップホップ編で一応2012年下半期分という体。比較的ブログで語ってきてると思いきやまだ10作以上もあるんですね。ホントは一作一作ディープに掘り下げたいものばっかりなのに。

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More Essential Drum N Bass Albums of 2012!


Now, usually I don't do this but uh...えーっと普段はやんねんだけど…っと言えば、一回の更新でどかっとアルバム取り上げるスタイル、すなわちマ・ト・メ!。しかしこんなタイミングだし、下半期はそもそも年間ベストとごちゃごちゃになるので毎回どうしようと思いつつ、昨年は取り上げられなかったアルバム多いんで「いっちょやるぜ!」とココロに決めました。一回目はドラムンベース編!。去年は比較的王道というかDNBそのものの魅力を追求したアルバムが多かったかもで、良い事だ!。まあぶっちゃけダブステップっぽいのがどんどん無くなってったってことでもあんだろうね。12作プラスワンの全13作!をお気に順で。

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Roc Marciano - Reloaded


今年はベストを年内に決めるぞ!と意気込む前に、2012年のベスト20アルバム取り上げんの一つ残ってるし、しかももう3月だし…、という相変わらずの体たらくで失礼をば。おっとりスウォードで本日ようやくRoc Marcianoの「Reloaded」にてこれが今日完結だ。前作と比べるとビートよりもサンプルネタ強調したトラック作りで、そのムードはけだるく憂いを帯び、時にはスムース。けっこうアンビエントって言葉を思わせるようなとこもあるの面白いな。Roc Marciのラップは延々と執拗に韻踏みまくる期待通りのライム・アニマルぶり。サグな物言いに、言葉のチョイスと韻の踏み様まで、音楽的にも詩的にもすごくオリジナルな世界の構築たるやすごいですね。やってること(と出来た作品自体ももちろん)はドがつくほどのヒップホップ、だけどブルースやソウルのアーティストみたいな存在性あるぞ。これぞイルなストリートのブルース!。
Roc Marciano - 76

こんな大ネタでマイ・ワールドを作りあげるとは。

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Sean Price - Mic Tyson


タイトル発表されてて一向に出ないアルバムってなんだかヒップホップには特に多い気がする。Sean Priceの「Mic Tyson」も2009年にアナウンスがあってからリリースは3年後の2012年!。ただしその3年間Sean Pはゲスト仕事の量がハンパ無い上に、なんと言ってもBlack Milk & Guilty SimpsonとのRandom Axeがリマーカブルだったんで、十分活躍してるイメージではあったな。さて待望の「Mic Tyson」、最初聴いたときはそんな外向きの活躍っぷりが反映されてないか?とか思ったが、じっくり聴くと濃厚な味わい深い内容でグイグイ好きになってった感じ。一貫してダークでヘビーかつダイナミックなサウンドプロダクションにSean Pの堂々としたオッサン声のコンビネーションが、いかつくて骨太。前半は渋めのサンプル使いのトラックでゲストは1曲のみ、反対に後半はややネタを強調したトラックでラスト以外はゲストをフィーチャーっていう、アルバムの構成も面白い。トラックは一番多く手がけてるのがThe Alchemistというのには驚き通り越して呆れるほどだが、他のトラックの色合いやクオリティが均一なのも特筆すべき点で、これ良いアルバムの証拠でしょう。9th WonderやKhrysisに加え新し目なプロデューサのトラックなんかもあるけど、言われないとどれだかわからないくらい。1曲1曲はやや短めでトータル40分くらいってサイズも、これ以上だと胸焼け起こしそうで適切。音が好みってのもあるものの、これまでのアルバムの中でもベストだP!。
Sean Price - STFU Part 2 (Mic Tyson Cover Animation Video)

ゴリラボコボコにするSean Pの勇姿!。

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Masta Killa - Selling My Soul


またまたWu-Tangもの!。「一応オリジナルメンバー」で(メンバー間で順序とかつけようがないけども)「9番目の男」と言えばMasta Killa。な〜んて全然褒めてない言い様が失礼なほどこのKilla、ソロキャリアは結構充実していて、過去2作のアルバムは中々の出来かつ1stにいたっては十分傑作だったりする。なので地味に待望の3作目はタイトルにあるようにソウル・ミュージックに着目した作品で、トラックは全てメロウでレイジー、レイドバックしたサンプルネタ使ったもの中心な作り。そこに頼んない声質で淡々とKillaラップするというアルバムなんだが、悪くないね。Masta Killaがどういうラッパーかと思えば全然不自然じゃないというか、むしろキャラが立ってるという点では過去のWu-Tangの連中の初期ソロアルバムを例えに出していいんじゃないの。アンダーグラウンドヒップホップ聴いてて「手堅く良いアルバムだけど、これといった特徴も無い」というの結構困ったりするんだが、本作はそうではないのが良いとこだ。また、「ソウル」と言うとGhostfaceを思い浮かべるかもしれないが、「ソウル観」の違いがむしろ面白いね。ゲストは1人のみでWu-Tangの残りメンバーの参加は無し。Masta Killaの(音的には)緊張感が無いようなラップが中心ではあるものの、トータルタイム40分弱ってサイズもその辺り分かってるっぽいし。あと9th Wonder製作曲が1曲あって、Masta Killaとの相性が良い。そこに関してはWu-Tangのメンバーで一番じゃないかい。
Masta Killa - Things Just Ain't The Same

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